英日韓3か国語で留学生に説明する警官
「彼らの役に立つことができて大変幸せ」 中国で学ぶ各国からの留学生に向け、法律に関する講義をしている男性は、警官の張黎さんだ。教室で彼の講義を聴いているのは、さまざまな皮膚の色をした約20人の留学生。生徒たちは、時には笑いながら、時には質問するために手を挙げ、警官の話す言葉を一言も聴き漏らすまいという意気込みで、授業に集中している。瀋陽日報が伝えた。
○英語・日本語・韓国語の3か国語で講義
瀋陽の航空航天大学留学生管理科の徐先生によると、従来の留学生研修では、警官が関連政策を中国語で読み上げるだけだったという。中国に来たばかりの留学生たちは、中国語をほとんど理解できないため、ちんぷんかんぷんの研修に面くらい、適当にスルーしていた。瀋陽市公安局出入国管理処の研修係に任命された張警官は、このようなまずい局面を打開しようと試みた。研修の場で、張警官は常に、英語・韓国語・日本語を使って留学生に制度の解説を行い、時には問題を提起して留学生と議論を交わした。このような努力が実を結び、研修では大きな効果が現れた。留学生が瀋陽に到着して最初に知り合う瀋陽市民である張警官は、彼らが誰よりも親近感を抱く人物となった。
○自分が教える学生に大きな関心と愛情を注ぐ張警官
留学生たちの前で張警官のことを話題に出すと、彼らは全員、親指を立て、「Good!Good!」と興奮気味に答えた。パキスタン出身のアーディさんは、「張さんは、僕たちにとって『偉大なる兄貴』だ。彼にはどれほど世話になったか分からない」と話した。
今年の初め、アーディさんの父親が病に伏し、一家の経済状態がピンチに陥った。大学の規定によると、「定められた期限までに授業料を納付しない場合は、学業を停止して帰国しなければならない」とある。アーディさんは、「これまでの努力が水泡に帰してしまう」と危惧した。絶望の底に突き落とされたアーディさんは、張さんに電話をかけて事の顛末を話した。張さんはすぐさま関連情報を収集し、対応策を調べた。その結果、アーディさんが学校に理由を添えて申請書を提出すれば、学費納入の期限を延期することが可能で、アーディさんが学業継続を諦めずに済むことが判明した。アーディさんは今、大学3年になった。卒業後は中国で就職する予定という。彼は、「僕はこの国を愛しており、周りの親切で友好的な友人を愛している」と話した。出入国管理処の馬処長は、「張警官は、留学生と親密に交流しており、彼らの留学生活に心から関心を寄せている」と語った。
張警官は、刑事科学技術専攻科を卒業したが、自分の仕事のクオリティアップを図り、英語、韓国語、日本語を独学で学んだ。彼は、自分の大いなる功績については一切触れず、ただ、「留学生のみんなの役に立つことができ、私はとても幸せだ」と述べた。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年11月8日