煙霧健康影響モニタリングネットを5年以内に構築 中国
中国疾病予防コントロールセンターは7日、今後3年から5年を目途に、大気汚染(煙霧)の健康への影響に関する全国規模のモニタリングネットワークを構築し、大気汚染が国民の健康に及ぼす影響の変化を把握する計画であることを明らかにした。北京青年報が伝えた。
○中央財政、煙霧健康環境モニタリングネット構築に補助金を拠出
中国疾病予防コントロールセンター環境・健康関連製品安全所はこのほど、「大気汚染(煙霧)の健康への影響に関するモニタリング研修会」を開催した。同会には、北京市、天津市、上海市、重慶市、河北省、山東省各地の疾病コントロールセンターの代表70人以上が出席した。
中国疾病予防コントロールセンター環境・健康関連製品安全所の徐東群・副所長は、次の通り述べた。
年初来の大規模な煙霧による大気汚染は、国内17省(自治区・直轄市)に及び、国土総面積の4分の1を占め、約6億人に影響が及んでいる。この状況は、国内外のメディアと国民から大きな注目を集め、習近平総書記と李克強総理は極めて重視し、それぞれが重要指示を出した。このような背景のもと、中国疾病予防コントロールセンターは、煙霧が健康に及ぼす影響に関するモニタリング業務を環境衛生モニタリングプロジェクトに組み入れ、補助金として中央財政からの移転支出資金を獲得した。
○16の煙霧多発省市、年内にモニタリングをスタート
中国疾病予防コントロールセンターによると、今後3年から5年を目途に、大気汚染(煙霧)の健康への影響に関する全国規模のモニタリングネットワークを構築し、大気汚染が国民の健康に及ぼす影響の変化を把握することで、効果的な予防対策と関連措置を講じるための根拠データとする方針という。2013年中に、大気汚染(煙霧)の原因となる汚染物質および住民の健康に対する影響に関するモニタリングをスタート、各地域のPM2.5(微小粒子状物質)の特徴と成分構成の違いを把握し、各地の大気汚染が健康に及ぼす影響の実態を明らかにする。
具体的なモニタリング作業については、年初来、煙霧が多発している16省市のモニタリングスポット43カ所を選び、煙霧が住民の健康に及ぼす影響をモニタリングする。この作業には、対象となる省市の環境保護・気象・人口・死因に関する資料データの収集、煙霧に含まれる汚染物質と成分についてのコミュニティ単位でのモニタリング、煙霧に敏感な人々を対象としたモニタリング、人々の健康リスク評価・リスク要因・人々の行動様式に対するモニタリング、病院単位での疾病モニタリングなどが含まれる。
○小学生の欠席情報もモニタリング対象に
中国疾病予防コントロールセンターは、モニタリング対象となっている各地に対し、煙霧発生時における各観測ポイントでのPM2.5サンプリング採取を行い、煙霧発生時と非発生時のPM2.5濃度・成分比の変化を把握し、煙霧発生時の死因モニタリングデータ、病院が受け入れる緊急外来に関するデータ、気象モニタリングデータ、大気汚染モニタリングデータなどの収集を強化するよう求めている。専門家は、「各モニタリングスポットは、各地の実情に応じ、小学生の欠席情報や健康診断情報など、人々の健康に影響を及ぼす要因に関するモニタリングデータを収集し、それらに基づき、条件が整った時点でタイミングを見計らい、モニタリングプロジェクトに組み入れるべき」と提案している。
中国環境・健康研究の専門家は、「煙霧発生時は、子供、高齢者、呼吸器系・心脳血管器系疾病にかかり易い人々の罹患率が増加するほか、120番救急センターのデータによると、救急車の出動件数がかなり増加する。また、一部病院の統計データによると、循環器系・呼吸系疾患で診察を受ける人も、明らかに増加している」と指摘している。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年10月8日