北京交通大・学食の「ロボットシェフ」、レパートリーは99品
「食堂の調理場で、ロボットが料理を担当している!」-北京交通大学(北交大)の学生食堂で、一見ドラム式洗濯機のような「ロボットシェフ」が調理を担当しているという話題が、ネット上で注目されている。北交大飲食サービスセンター担当者はこれについて、「ロボットシェフは、炒め物を作るスピードが飛び抜けて速いだけはなく、省エネ・排出削減にも効果がある」と話した。もっとも、人間のシェフがロボットに仕事を奪われたという訳ではない。いまのところ、ロボットシェフの役割は「炒める」ことだけで、味付けの段階になると、本物のシェフが登場する。北京晨報が伝えた。
○時間短縮効果:3分で調理完成
メニューを選び、油、調味料、食材を投入すると、2-3分後には炒め物が完成する。12日午前11時頃、記者は北交大第二学生食堂でロボットシェフに初めて対面した。ロボットシェフの外見は、ドラム式洗濯機に似ており、高さ約1メートル、直径約50センチメートル。体幹部にあたる大きな円筒の左側には、高さ1.4メートルほどの高い「戸棚」があり、スイッチや小さな操作画面が備わっている。円筒のすぐ隣にウォーターサーバー、右側にはウォータージェット、さらには調味料の棚も控えており、これら全てがロボットシェフの「片腕」としての役割を担っている。
学食の李シェフが、「青豆炒玉米粒(グリーンピースとコーンの炒め物)」の調理を実演してくれた。李シェフが操作画面で「炒玉米粒(コーンの炒め物)」を選ぶだけで、ロボットシェフの大きな円筒の「腹」が回転し始める。同時に、左側にあるウォーターサーバーから「腹」の部分に水が注入された。李シェフは、ロボットシェフからの音声指示の通りに、油、塩、唐辛子などの調味料を「腹」の中に投入、続いてコーンとグリーンピースを入れた。3分も経たないうちに、円筒は自動的に下方に傾き、下にあらかじめセットしておいた大皿に「ガラガラ」と音を立てて完成した料理が盛られた。近づいてしげしげと眺めたが、人間のシェフが作った料理と違いは全くない。円筒は回転すると同時に、傾斜の角度も自動的に調整していた。このため、調理中に発生する油煙の量も抑えることができるようだ。
○省エネ効果:ガス代を約50%節約
李シェフは、「油炒めロボットの最大の長所は、自動的に『あおり炒め』ができることだ。また、かなり均等に撹拌し、炒めるスピードも速い。通常、約3分で一品が完成し、人手を大幅に節約できる。ロボットシェフが作ることができる料理は今のところ99種類、注文が入れば操作画面でメニューを選ぶだけでOKだ。厨房では、ロボットシェフを使って一日平均80回調理をしており、1回で約50人分が出来上がる」と説明してくれた。操作画面を見ると、メニューには、「木須肉(きくらげと卵の炒め物)」「紅焼茄子(なすの甘辛いため)」「肉沫土豆片(マーボーじゃがいも)」などがあった。
北交大飲食サービスセンター担当者は、「この2台のロボットシェフを導入したきっかけは、省エネ・排出削減の目標を達成するためだった。1台10万元(約160万円)あまりで購入し、第二学生食堂で使用し始めた。大まかな統計によると、従来のガスレンジによる調理と比べ、ロボットシェフを使った場合は、水道代とガス代を約50%節約できる。また、油煙の排出量も従来の86%まで減少した」と話した。
○「試食したい」ネットユーザーから羨望の声
「僕が食べている料理がロボットシェフの手によるものだなんて。何というハイテク!」-学食で食事をしていた学生は、しきりに感心した。交通運輸学院3年の彼は、学食にロボットシェフが導入されていたことを知らなかったと言い、「そんな料理を食べていたなんて、本当に思いもよらなかった!なんと素晴らしい!」と感嘆した。
北交大生が学食で食べる食事は、多くの人の羨望の的となった。同校学食のロボットシェフに関する情報が微博(ウェイボー・ミニブログ)で大量に転送されると、コメントが殺到し、驚きの声が続々と上がった。「試食してみたい」と望むネットユーザーが多くいたが、残念ながら同校の学生証を持っていない人は利用できない。そこで、「ロボットシェフがファーストフード店をオープンすれば良いのに」という提案まで出た。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年9月16日