中国主要8空港、離陸機数の規制が撤廃
上海浦東国際空港や虹橋国際空港、北京首都国際空港、広州白雲国際空港、深セン宝安国際空港など、中国の主要8空港では今後、天候不順などを除き、離陸機数の規制が撤廃されるというニュースがここ数日、ネット上で論議を呼んでいる。中国空中交通管制部門は29日、同ニュースが事実であることを認め、既に実施が開始されていることを明らかにした。一方、上海の複数の航空会社は取材に対して、「同ニュースに関連する通知は何も受け取っていない」と回答している。空中の航空機以外は規制を受けないという新たな試みに、ネットユーザーらは、「列を作って待つ場所が地上から空中に変わっただけで、同じこと」との突っ込みをいれている。労働報が報じた。
同ニュースを最も早く伝えたのは、民用航空局の空中交通管制局運行管理センターの崔建強・副主任で、「微博」(ウェイボー・ミニブログ)に、「民用航空空中交通管制組織は7月18日より、北京、広州、深セン、浦東、虹橋、成都、昆明、西安の8空港で、天候不順などを除き、離陸する航空機が機数規制を受けない措置を実施している」と投稿した。同8空港は中国でも最も混雑している空港で、遅延発生率が最も高い空港でもある。そのため、利用者にとっては、グッドニュースであることに間違いない。
一方、民用航空華東空中交通管制局の責任者は取材に対して、「はっきりしたことを把握していない」としたほか、東方航空や南方航空、春秋航空などの航空会社はいずれも「同措置実施に関する通知を受け取っていない」とした。
ある航空会社の責任者は取材に対して、「このニュースが本当なら、クルーにとって、飛行の安全の面で大きなプレッシャーがのしかかることになる」と指摘する。このような懸念は決して杞憂ではない。同ニュースが投稿されてから、ネット上では「8空港が、特殊な状況を除いて離陸数の規制を敷かなくなったため、航空機は定刻通りに離陸することができる。しかし、空中で規制を受け、待っている際に、燃料がなくなって緊急着陸しなければならないという事態を避けるため、航空機には必ず燃料を多めに積んでおかなければならない」というメッセージが広まっている。
中国各地の空港ではこれまでに、大量のフライトが遅れたため、利用者らが不満を抱き、地上側のスタッフらとの間でトラブルを起こすという事件が起きている。そのため、今回の措置は離陸の遅延率を下げ、利用者の不満を回避するためではないかとの声も上がっている。ネットユーザーらも、「地上ではなくて、空中で旋回しながら待つようになっただけ。根本的な解決策になっていない」と突っ込みを入れている。さらに、8空港以外の空港がある地域の市民も、「同措置により、ほかの空港の航空機の待ち時間が長くなるのでは」との懸念を示している。
毎年7、8月は、台風や雷、豪雨、帰省する学生のピークなど、さまざまな要素が重なり、1年のうち、航空機の遅延が最も多くなる時期となる。民用航空局の最新統計によると、中国の航空会社全体の今年1-5月の定刻出発率は前年同期に比べて3.35ポイント低い71.73%だった。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年7月31日