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米国の「報道の自由」は無制限ではない

 米司法省がAP通信の通話記録を密かに入手していた件について、AP通信は米国政府に書簡を送り、強烈な抗議の意を示した。この事件をきっかけとして、米国における報道の自由に対する考え方やその境界線をめぐり、世界中で熱い議論が巻き起こった。人民日報海外版が報じた。

 米国は、「報道の自由」をうたっており、実際に報道の自由がかなりの程度認められている。また、この種の自由は、政府による公権力の濫用を抑える働きがあり、社会の正義を保つ上でその意義は大きい。しかし、米国で「絶対的」な報道の自由が認められたことは一度もない。米軍がイラクに進撃した時、従軍記者は、現地発報道において、「自主規制」を求められただけではなく、米軍報道管制部による検閲を受けなければならなかった。米国がイラク攻撃の準備を進めていた2002年、ホワイトハウスは国民やメディアに対し、真実を知る自由を決して与えてはいなかった。当時、伝統的な自由主義の立場に立つメディアを含む米国主要メディア各社は、民権や自由についてはそっちのけで、イラクへの先制攻撃を全面に出して大々的に支持した。

 2001年10月に米議会を通過した「愛国者法」によって、反テロリズムという名目での米司法部門の権限が拡大された。これによって、警察機関は、電話・電子メール、医療情報、金融情報、その他記録を調査する権限を持った。制定当初、同法律の多くの条項は、有効期限付きの「限時法」であったが、これまでにすでに2回、期限が延長されている。この経緯の背後には、個人のプライバシー保護よりも反テロリズムをめぐる国家の公益を優先させるという米国のスタンスが見て取れる。今回のAP通信の件は、これが如実に現れた事件といえよう。もちろん、国際テロに対して米国が攻撃する必要がなくなった暁には、「愛国者法」が歴史の舞台から姿を消し、そうなればAP通信に対する圧力も大いに軽減されるはずだ。

 歴史的に見て、特に「反テロの時代」においては、米国に「絶対的な報道の自由」は存在しない。これは決して、米政府が好き勝手に権利を侵してもよいという意味ではない。政府が通信記録を監視コントロールする際には、メディア関係者を含む米国民の正当な公民権を極力保護しなければならない。たとえば、持続的で立ち入った監視が必要な場合は、事前に、法に基づき司法部門に申請し、許可を得なければならない。メディアを含む米国民は、反テロの時代において、自己規制を肝に銘じ、法に依り権限が与えられた政府による適度な監視コントロールに理解を示し、それを受け入れる必要がある。

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