「中国の夢」を後押しする「雷鋒精神」
炎のように燃えさかる雷鋒(人民解放軍の模範兵士)の情熱と精神力は、今や中国の国境を超え、世界中に影響力を広げている。人民日報が伝えた。
3月5日の「雷鋒に学ぶ日」を前に、パキスタンの某ウェブサイトには、「雷鋒は、背丈はそれほど高くないが、粘り強く、強固な意志を持ち、律義で人情に厚く、非常に楽観主義である」と紹介する文章が掲載された。また、パキスタンの英字紙「News」は、「雷鋒に学ぶことは、他者を助けるという中国伝統の美徳を学ぶことであり、人助けは、人間の本質的な快楽である」と中国人学生の談話を引用して伝えた。
メキシコの大学院大学エル・コレヒオ・デ・メヒのリリアナ・アスフスカ教授は、「質実剛健な共産党員である雷鋒は、ひとつの象徴となっている。彼に対する民衆の尊敬は、中国共産党を心から支持していることを示している。これは、中国が改革の道を歩み続ける上で、非常に頑強な基盤となる」との見方を示した。
しかし一方で、「雷鋒精神」を「人間を機械と見なしている」と解釈する欧米の研究者もいる。これはある種の曲解であるだけではなく、人類の精神文明の価値に対する軽視でもある。世界各国の発展史を俯瞰すれば、「自己犠牲の精神」が随所に凝縮されている。国家というものは、背後に精神がなければ存続することはできない。ましてや、時代の先端を進み続けることなど持ってのほかだ。
世界金融危機によって、私利私欲という根深い病気が暴露された。ハーバード大のファーガソン教授は、「欧米社会は、将来の理想のために自らを犠牲にするという精神から、大きくかけ離れしまった」と指摘した。私利私欲が際限なく膨らんだことが、一部欧米国家が危機から抜け出せない根本的な原因となっている。スペインESADEビジネススクールのアウグスト・ソトー(Augusto Soto)教授は、「雷鋒精神に秘められた優れた特性は、世界各国にとって必要なものだ。さまざまな試練に直面している今、我々は一致団結し、ともに難関を乗り越えなければならない」と指摘した。