清華大学経済管理学院の白重恩・副院長は「マイホームは、一般庶民の幸せと関係が深いことは確かだが、決して『マイホームがないと幸せになれない』ということではない」と指摘した。さらに「私個人は、『房奴(マイホーム奴隷)』という言い方に抵抗感がある。どの国でも、消費者がマイホームを購入するためにはローンを組む必要がある。これは全く正常なことだ。中国の『マイホーム奴隷』現象は、自身がその選択を行った結果であり、30歳でマイホームを購入した人は当然、買っていない人より多くのコストを負担することになる。これは、彼らが自身の収入増を高く見込んでいるからで、不幸と感じる人がいるなら、それは、その人たちが将来について不合理な見通しを持っているからだ」と続けた。
中国城郷(都市・農村)建設経済研究所の陳淮所長は、「政府が進めている不動産抑制策は、全ての国民がマイホーム購入という夢を実現することを目指している。政策の実施以降、全ての関連文書には、一般庶民が自己所有の家に住むことを支持・保護・奨励するために政府が力を尽くすという姿勢が強調されている」とコメントした。
■教育費 幸せコストの長期投資
-----議論への「頻出率」、幼稚園がトップ
住宅のほかに、ネットユーザーが「幸せコスト」として重要項目中の最重要として挙げたのは「教育費」だった。白書によると、ネットユーザーが「幸せ」をテーマに議論する時、「教育」「学校」「幼稚園」「小学校」などが、最も頻出する言葉だった。なかでも、「幼稚園」は、話題への「頻出率」が最も高い教育機関となった。「あなたの家庭が現在直面している最も困難な問題は?」という問いに対し、「希望の幼稚園に子供を入れることが極めて難しい」と答えたネットユーザーが31%に上り、「子供の幼稚園入園のために貯蓄に励んでいる」は25%に達した。
「競争のスタートラインに我が子を並ばせる時に、決して遅れを取ってはならない」という考え方が、親の心に深く浸み込んでいるのと同時に、「家庭の幸せ」を追求する上で、幼児教育はすでに最重要課題となっていることが、白書によって明らかになった。ネットユーザーの8割以上が、「教育費の支出は、長期投資の対象のひとつ」と見なすようになり、重い教育費の負担は、若い世代の親の幸せ指数を大きく下げる原因となった。
北京師範大学公益研究院の王振耀・院長は、「国内外のさまざまな研究から、教育レベルと幸福感は正比例の関係にあることが判明している。そのため、幸せを求める上で、教育が大変重要な関わりを持っている。子供の教育問題が人々の幸福指数に影響を及ぼすことは確かだが、長い目で見ると、国家の教育投資、特に幼児教育・義務教育・高等教育に対する投入が年々増加していることから、若い夫婦は、ある程度の教育資金を蓄える必要はあるが、過度の心配をするには及ばない」との見方を示した。
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