今後10年、中国は広い心を持ってこそ大きな前途が開ける (2)
第3の共通認識:中国は近年外交摩擦が絶えない。だがこうしたトラブルはいずれも中国の台頭の継続を抑え込む実質的パワーにはなり得ない。中国は一見常に受動的に見えるが、実際には戦略的主導者なのだ。すなわち、係争に対処するためにどれだけの力を割くかは、かなりの程度においてわれわれ次第だ。中国の発展における全ての核心的要素は、こうした外交的衝撃の波及外にある。
第4の共通認識:現在世界の圧倒的多数の国が経済発展を第1の戦略目標としている。中国にはなおさらに、この長期的戦略を変える理由がない。米国は対テロ戦争を10年間行った。理由は十分にあり、鬱憤を晴らした。だが振り返ってみると損をした感じがして後悔が広がっている。中国は戦略面の主体性を拡大する最も肝要な時期にあり、一歩たりとも足を踏み外したり、脇道にそれては決してならない。
第5の共通認識:中国の急速な発展に外部が焦りを抱くのは避けがたい。われわれは中国の台頭によるメリットを真摯に世界と分かち合わなければならない。自国が一人勝ちして、他国は全敗させるというような心理であっては決してならないし、ふと思い浮かべるのもだめだ。特に抱いてはならないのが、台頭を実現した後に昔の加害者に報復するという考えだ。
中国は今後10年で世界最大の経済大国になるとの見方がすでに国際地政学で流行っている。これは確かに今後10年間の最大の戦略的変数であり、この過程をわれわれよりもしっかりと管理できるものはない。これが外部の心理に敵対性の爆発をもたらさないようにすることが、なおさらに重要だ。われわれの謙虚さ、智慧、意志の広さが極めて強く試されることになる。
中国という木が大きくなれば風当たりも強くなるのは当然だ。われわれは生い茂ると同時に、風の吹き抜ける隙間を確保して、大きくとも自分が吹き倒されないようにする必要がある。国家が最高の場所へ向けて台頭を続けるには、集団として哲学的に十分に成熟しなければならない。(編集NA)
「人民網日本語版」2012年11月23日