「中国の対朝政策失敗論」に中国の専門家が反駁 (2)
■根源は朝米対立
劉氏は「朝鮮が核実験で念頭に置いているのは中国ではなく、韓国でもなく、米国だ。この問題において失敗したのは米国、韓国、日本の政策だと言うべきであり、より省察すべきはこうした国々だ」と指摘。「朝鮮の核実験は、制裁または高圧的政策によって朝鮮に言うことを聞かせることはできず、朝鮮は安全な国際環境と開放的な国際経済政策を与えられなければ強烈な危機感を抱くという問題を物語っている」と述べた。
中国国際問題研究所の阮宗沢副所長はこれについて「現在北東アジア情勢は不均衡だ。韓国と日本は米国の核の傘に守られているうえ、自らの軍事力も弱くないので、二重に守られていると言える。一方、朝鮮の安全保障上の圧力は主に米国からくるもので、核抑止も米国を念頭に置いたものだ」と説明した。
陶氏も「朝鮮の核問題がこれほど複雑化したのは、朝米両国の60年余りの敵対関係がもたらした『悪い結末』の面が大きい」と指摘した。
■正しい道は対話と協議
時氏は「朝鮮核問題解決の鍵は依然、朝鮮半島の非核化をどう推進するかにある。様々な試みがまだ進展していない今こそ、国連安保理決議に照らして行動し、制裁措置を定め、朝鮮の核兵器開発を制限すべきだ」と指摘した。
劉氏は「歴史が証明しているように、米国と韓国が朝鮮に対して同時に『太陽政策』を実行していた時、朝鮮半島は多少緩和し、非核化実現について検討する条件が揃っていた。6カ国協議や対話メカニズムが主導的役割を発揮している時には情勢は緩和し、その反対の時にはエスカレートする。これは軍事演習、制裁、対立に直面すると、朝鮮は我が道を突き進むことを選ぶことを物語っている。これは朝鮮にとって自らを守るための選択だ」と指摘。「中国が推し進めているのは、国連の枠組みの下で、6カ国協議を推進し、話し合いを通じて問題を解決し、朝鮮半島の非核化を促すことだ。この政策は今のところ核問題の解決にはいたっていないが、少なくとも摩擦を激化させてはいない」と述べた。
阮氏は「一定期間の後に各国が外交的接触を再開することを望む。将来的にはやはり6カ国協議のような多国間対話メカニズムによって米朝間の不信頼と敵視を解決する必要がある」と指摘。「中国は引き続き仲裁と対話促進の役割を果たすべきだ。結局のところ、根本的問題を解決できるのは交渉のみなのだから」と述べた。(編集NA)
◆は金へんにりっとう
「人民網日本語版」2013年2月17日