成都で日本の現代芸術展 作品に中国・西洋の息吹 (2)
西洋文化の特徴を明確に感じさせる日本の現代芸術作品 |
興味深いのは、日本文化の神髄の細やかさに期待していた多くの成都市民が、西洋文化の影響を深く受けた芸術作品に出逢ったことだろう。入場者から日本文化について問われた日本人芸術家らは率直に、「何が日本文化なのか、私たちにも分からない」と語った。
往年の日本書道をテーマに創作する女性芸術家・平良美樹(たいら・みき)氏は、今回の伝統派代表といえるが、その表現手法は非常に西洋的だ。肉筆の書道とあいまって、抽象的なユーモラスを感じさせる。「戦前生まれの祖父は米国のライフスタイルにあこがれ、父はさらに傾倒していた。しかし高度成長期に生まれた世代の私にとって、現代化されたライフスタイルは自然な存在だった。西洋文化の影響を非常に受けたのも自然。しかし私の書道作品と西洋のカリグラフィーが異なるのは、日本書道のなかに中国伝統文化の影響を留めていること」と平良氏。