在日中国人のエコ意識 必要なのは「節約」でなく「投資」
環境保護産業が日本で産声を上げ、十数年たつ。しかし環境保護に対する市民の意識は、年齢・立場によって多様だ。俳句大会にこんな俳句が投稿された。「いえこれは ケチではないの エコなのよ」。環境保護は多くの人にとって、「単なる節約」という理解が一般的だ。もちろん誤りではない。人として、少ない消費・少ない浪費は環境保護であり、資源の節約と同時に金銭の節約にもつながる。しかし環境保護産業をマクロ的にみれば、資源の節約や再利用を増やすためには、先進技術の支えが必要で、むしろお金をつぎ込むことが求められる。ウェブサイト「日本新華僑報網」が伝えた。
日本在住の中国人男性、王さん(仮名)は日本の環境保護に対する認識が深く、敬服に値する。環境を専攻するため来日して長年がたった。以前は多くの人にとって環境とは、公益に近かった。しかし王さんは「環境・環境保護産業は完全なビジネスになる。環境保護にとどまらず、裾野の広い新産業に成長する」とみる。
王さんは文具メーカーを就職先に選んだ。文具市場には現在、ステープラー不要の書類留め具や、樹脂の混ざったペレット粉末から製造されたプラスチック消しゴム、外皮から芯まで再生材で創り上げた鉛筆などエコ商品が多数登場しており、「文具メーカーは、規模は小さくても、技術と創造性は大変優れている」という。
エコ文具の販売に携わって約4年、王さんにはエコ産業の将来像が見えてきた。「同じ環境保護でも、これまでは分類回収など初歩的な段階にとどまっていたが、今後はより先進的でエコな事務用品やオフィス家具を採用するなどの形で、環境保護に取り組むようになる」と王さん。「この過程では一人ひとりがエコ産業の一部となる。この水準に達して初めて環境保護が個人の生活に溶け込むことになる」と語る。
王さんは、日本国内にとどまらず、視野を中国にまで広げている。「中国市場は日本よりはるかに大きい。環境保護とは節約ではなく、斬新なアイデアと先進的な技術により実現するものだと理解する中国人が増えれば、エコ産業がいっそう盛り上がり、中国のエコ産業も成長していくだろう」。(編集HT)
「人民網日本語版」2012年11月9日