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日本学研究センター 和室の作品 |
後記
大坪さんのご自宅に取材に行った際、大坪さんは野菜や鶏を使った手料理をご馳走してくれ、質問に対してゆっくりと穏やかな表情で話し始めた。しかしその内容は、時には日本のいけばな界の問題に言及する鋭いもので、非常に客観的で率直な意見が多く含まれていた。大坪さんは松尾芭蕉の「不易流行」という理念をさまざまな面で実践している。それは、中国では流派の免状を売るための「日本のいけばな」を発展させるのではなく、中国独自の「いけばな」を育てたいという思いにも色濃く現れている。また、乾燥がひどく、花が高価な中国北方では、造花による「いけばな」を取り入れるなど、本質を大事にしながらも、その環境に応じて臨機応変にいけばなを伝えることに尽力してきた。これもすべて、もっと多くの若い人たちにいけばなを楽しんでほしいという「伝承者」としての使命やいけばなへの深い愛によるものだ。あえて、日本いけばな界の反逆者として日本に向けて辛口の発言をしてきた大坪さんに粋を感じた。73歳の大坪さんはいけばな界にあっては、まだまだ若い。しかもまだまだやりたいことや夢がある。70代になったときに、まだ大きな夢を持ち続けて頑張れる人はいったいどれだけいるのだろうか?(編集MZ)
■大坪光泉(おおつぼこうせん)プロフィール
栃木県出身。1960年龍生派家元吉村華泉に師事。日本や海外での講演会、展覧会を意欲的に行う一方、龍生派家元顧問として全体の指導にあたる。ホテルのロビーの装飾、テレビ舞台装飾、商業イベント装飾(日本愛知万博など)なども手がける。2005年6月から北京在住。
ホームページ:http://www.e-flowerplanet.com/j/
中国語ブログ:http://blog.sina.com.cn/flowerplanet
プチアンケート
●あなたの出身地は? 栃木県
●中国滞在歴 8年2ヶ月
●中国の食べ物で一番好きなもの ◆(草かんむりに交)白(野菜)、灌腸(サツマイモを練って作った腸詰)
●好きな中国映画中国映画
張芸謀(チャン・イーモウ)監督作『あの子を探して』(99)(原題:一个都不能少)、
「ションヤンの酒家(みせ)」(原題:生活秀)
●好きな中国の音楽・ミュージシャン 崔健
●影響を受けた中国の書籍 魯迅
●中国人に見習うべきところ
実事求是の態度 (現実に則して、行動を実行する態度)
●中国にあって日本にないもの
豊富な肉料理、豊富な中国茶、新鮮で種類の多様な野菜。
ある日、大成功しそうな、夢の持てる社会
●中国を漢字の一言で表すなら? 差不多(大体)
「人民網日本語版」2013年9月29日
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