韓寒の小説「一座城池」を映画化　ブラックジョーク炸裂か

　中国の人気作家・韓寒の人気長編小説を映画化した「一座城池」が9月18日、封切られる。香港の房祖名(ジェイシー・チャン)や中国の王太利、小薫らが主演を務める同作は、青春ブラックコメディで、中国のコメディ映画に新たな風を吹き込んでくれるのではと期待されている。2006年に出版された小説版では、学校を中退した若者が集団暴力事件を起こし、逃走する姿を描いている。韓寒の小説が映画化されるのはこれが初めて。人民日報が報じた。

　孫渤涵監督は、映画化を決めた理由について「小説の中の強烈なブラックジョークや、作品に描かれる80年代生まれの若者が持つ、独特の存在感に心を打たれたから」とし、「原作の面白い部分は、すべてそのまま映画にも採用した。見る人はこれまでにない面白さを感じるだろう」と語る。

　今年7月には、中国の80年代生まれを代表する青春文学作家・郭敬明が初めてメガホンを取った映画「小時代」が公開となった。郭敬明も韓寒も、若い世代には大きな影響力を持つため、2つの作品を比較されることは避けられない。まず、小時代では豪華な衣装や道具が使われているのに対し、「一座城池」の衣装は非常に質素だ。房祖名は以前、発表会で「撮影で着ていたのは、普通のTシャツとジーンズで、特に着替える必要もなかった」と語っていた。その点、孫渤涵監督は、「『一座城池』はブラックジョーク映画。とても個性的で、衣装はとてもシンプル。外見だけが豪華で、内容が色あせるというのは避けたかった」と語った。

　「一座城池」のポスターは、黄色を背景とし、都市のイラストが「一座城池」という文字を囲んでいる。両脇には主役の2人が立っており、共に井の中のカエルのように呆然とし、複雑な表情を浮かべている。小説や映画で描かれているように、17-18歳の頃には誰もが反抗期を経験し、親元を離れたい、自分の思うようにしたい、他の人に認められたいなどと感じたことがあるだろう。「一座城池」に登場する不良2人が、どんなブラックコメディを見せてくれるのか、大いに期待しよう。（編集KN）

　「人民網日本語版」2013年8月6日

　作家紹介 ：韓寒。作家で、雑誌編集者、プロのラリーレーサーとしても活躍している。1999年、デビュー作の「三重門」が203万部を売りベストセラーとなった。2010年には米雑誌「タイム」の「2010年　世界で最も影響力のある100人」に選ばれた。