仏アノー監督の新作「神なるオオカミ」、衣装を初公開=内モンゴル
中国で300万部以上も売り上げた中国人作家・ 姜戎(ジャン・ロン)のベストセラー小説「神なるオオカミ」(原題:狼図騰)を、「愛人(ラマン)」や「セブン・イヤーズ・イン・チベット」で世界的に知られるジャン=ジャック・アノー監督が映画化した中仏合作映画「神なるオオカミ」の記者会見がこのほど、作品の舞台でもある内蒙古(モンゴル)自治区烏拉蓋で行われた。ジャン=ジャック・アノー監督は主演の馮紹峰(ウィリアム・フォン)と竇驍(ショーン・ドウ)とともに出席した。この作品は総製作費7億元(約113億6800万円)をかけて撮影され、2015年のアカデミー賞外国語映画賞を狙う話題作だ。「青島日報」が伝えた。
主演の馮紹峰と竇驍の2人はともにモンゴルの民族衣装をまとい、文化大革命の際に都市から農村に下方された「知識青年」の若者に扮して登場した。これが、映画「神なるオオカミ」で初めて公開された人物の衣装となる。ジャン=ジャック・アノー監督も同様にモンゴルの民族衣装に身を包み、笑いながら「自分がフランス人であることを忘れ、モンゴル人と錯覚してしまった」とジョークを言った後、原作小説「神なるオオカミ」を読んだ後、映画化したくなったことを明らかにし、「この映画は人と自然の関係が深く探索されており、私の心を非常に強く揺さぶった」と語った。
映画「神なるオオカミ」の絶対的な主人公はオオカミだが、オオカミは最も撮影するのが難しい対象だ。しかし、ジャン=ジャック・アノー監督はユーモアたっぷりに「オオカミを撮ることは、ハリウッドのスターを撮るよりもずっといい。なぜならオオカミはマネージャーに電話して文句を言ったりしないからね」と語った。
馮紹峰と竇驍の2人はすでに内蒙古で2カ月間撮影を行っており、明らかに以前と比べて日焼けしていた。ジャン=ジャック・アノー監督は、馮紹峰を主演の陳陣役に抜擢した理由として、馮紹峰が非常に感情を重視する俳優であることを指摘し、「馮紹峰は小説の作者である姜戎氏にとても似ていて、非常にもの静かな人物だ」と語る。この役柄を演じるために、馮紹峰はかなり早い段階からオオカミと生活をともにして、感情を交わす努力を始めていた。竇驍も同様に乗馬だけでなく、内蒙古に関する多くの関連資料を読むなど多くの準備を行うとともに、楊克役のモデルとなった陳継群氏のもとを訪れるなどしていた。
「神なるオオカミ」の物語は、文化大革命の時期に、北京から内蒙古のオロン草原に下放(かほう)された知識青年の陳陣が、天の教えを守り、草原やオオカミとともに生きる現地の遊牧民一族の精神と生活に次第に魅せられていき、次第にオオカミにのめり込んでゆく姿が描かれる。原作は、姜戎(ジャン・ロン)氏の自伝的小説で、中国で2003年に出版されて以来、300万部以上を売り上げ、海外110カ国30言語に翻訳されたベストセラー小説。(編集MZ)
「人民網日本語版」2013年7月2日