莫言氏小説「紅いコーリャン」、初のドラマ化決定 (2)
■鄭暁龍監督「下手なものを撮れば、当然批判を受ける」
中国ドラマ界を代表する鄭暁龍監督にとっても、ドラマ「紅いコーリャン」の監督を務めることは、正直、大変なプレッシャーだ。「小説の影響力が大きいだけでなく、映画の評価も非常に高い。ドラマと映像は同様に映像作品なので、撮影した後、視聴者は受け入れてくれるだろうか?そう思うと、やはり最初は快い返事ができなかった」と鄭暁龍監督。オファーを受けたいきさつについて聞かれると、突然饒舌に語り始めた。「後になって、ドラマの物語の概要を読み終わったときになって、初めてこの件を受けてみようと思った。莫言氏の小説がベースとなっていることは、一方ではプレッシャーではあるが、もう一方では小説の力を借りることができる」と語る。しかし同時に鄭暁龍監督はこのドラマの監督を務めたことでもたらされる悪い結果についてもすでに心の準備をしている。「莫言氏の小説や映画が別にあることで、視聴者は必ずドラマではいったいどう撮影するのかと注意深く見ている。もし上手く撮れなければ、当然批判を受けるだろう」。
ドラマ版「紅いコーリャン」は今年10月にクランクインして、山東衛星テレビで放送される予定。
【解説】「紅いコーリャン」
昨年ノーベル文学賞を受賞した莫言氏が1986年に執筆した小説「紅いコーリャン」は1987年に張芸謀監督が映画化し、第38回ベルリン国際映画祭の金熊賞を受賞。張芸謀の名を一躍世界に知らしめるきっかけとなった。
舞台は、1920年代の中国山東省。ロバ一匹で身を売られ、親子ほども年が離れたハンセン病を患った造り酒屋の男の元に嫁ぐことになった女性を偶然助ける村の男。2人は恋に落ち、子供を生んで幸せな日々を送るが、そんな頃、日本軍が侵攻してくる。村人たちは抗日武装隊を結成し、旧日本軍の戦車隊に突撃していく。
そこには国家と民族の意識が描かれている。しかし、これが小説の主要部分ではなく、精神的な主体としての強烈な生命の意識が主題となっている。原始的な野生性や素朴でたくましい生命力に対する賛美や自由奔放に生きるスタイルへの渇望が込められている。(編集MZ)
「人民網日本語版」2013年7月22日