日本なら「ドラえもん」。では中国アニメの世界的イメージは? (2)
中国には、 「民族的(中国的)なものこそ、世界的なものになりえる」という表現方法があるが、これは半分しか合っていない。世界が中国のソフトを受け入れるには、世界に共通する感情という世界言語を使用することが不可欠である。また現在、世界的な動画・アニメの製作所では基本的に3Dなどの技術を使用してアニメを描いているが、中国でもこういった技術を持つことが必須である。このほか、われわれは他民族の感情表現がどのようなものかをよく理解しなければならない。例えば、家庭や成長におけるもの、弱者から強者にいたるまで、恐らくストーリーの中にこれらの感情表現のすべてが描かれなければならない。最後に、世界的なイメージを確立するためには、作家は自分の個性や美的感覚による表現だけに囚われてはならず、大衆の感覚を理解しなければならない。
■「世界的イメージを築くには、作者はひとりよがりな作品作りをしてはならない」 - 陸小弟氏(著名連環画家、上海『天天新報』視覚部副部長)
中国のアニメ・漫画の世界的なイメージはどんなものなのか?個人の考えでは、3点挙げられる。▽描かれるのは、大衆的な物語であること▽中国絵画の技術を使っていること▽海外で通用する表現の要素を使っていること。この3点があれば、世界進出することは可能であると考えている。次に、日本であれ、韓国であれ、その人気アニメやドラマに隠されているのは、ある一定の層に向けてマーケティング・製作されていることだ。例えば、主婦向けのメロドラマ、一部男性視聴者向けのドラマといった具合だ。今、我々は作品のターゲットを絞らず、十派一絡げに扱っており、作者はひとりよがりな作品作りを行っている。我々がするべきことはまず自分が描いた作品の視聴者や観客がどんな人たちであるかを考えるべきだ。
■「世界的なイメージを築くには、専門的なマーケティングによるブランドパッケージと宣伝が必要」 - 王士豪氏(台湾友善之地文創開発有限公司の社長)
アニメのイメージデザインは極めて中国的スタイルでなけれなならないと同時に、現代人が好む美的感覚やパッケージ手法にも合致しなければならない。台湾では、我々はさまざまな試みを行うと同時に、いくつかのイメージを作り上げてきた。それは、一見して日本アニメ・漫画のスタイルではなく、だからといって完全な水墨画でもなく、いかにもアニメといった感覚とも異なるものだ。例えば、キャラクターの服がチャイナドレスなら、そこまでかっちりした伝統的なデザインではなく、若干トレンドを取り入れ、街を歩いても不自然でないような今風のチャイナドレスにするなどだ。
漫画は一つのエンタメ産業だ。いかに物語を聞かせるかのように、人々に漫画を読ませるかは、物語を巧みに映画の中に取り入れることに似ている。李安(アン・リー)監督がハリウッドで撮影した「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」も良い例だ。我々がやるべきことは前段階のストーリー作りやデザインなどであり、その後に、上海美術映画製作所のような専門的な製作チームによる美しいパッケージを加えてから、海外に打ち出していくべきだ。(編集MZ)
「人民網日本語版」2013年11月1日