旧暦9月9日の重陽節 高い所に上り景色を眺めるのはなぜ?
重陽節(旧暦9月9日、今年は10月11日)には昔から高い所に上る風習があり、歴代の文人たちがこの「登高」をテーマに数々の詩を作ってきた。今年もまた重陽節がやって来た。これまで高い所に上って遠くの景色を眺める時、その理由を考えたことがあるだろうか。新華社が伝えた。
遼寧大学文学院の郭醒教授は、「重陽節は中国で長い歴史を持つ伝統的な祝日であり、『重九節』、『登高節』、『菊花節』、『茱萸節』などとも呼ばれる。この日は高い所に登る習慣があり、天高く馬肥ゆる秋の空の下で高い所に登れば、晴れ晴れとした爽快な気持ちになるとともに、体を鍛えることもできる」と説明した。
歴史資料をひもとくと、早くも漢の時代に、重陽節で高い所に上ったという記述がある。前漢時代(紀元前202年 - 8年)の首都・長安の近郊には重陽の日に高い所で景色を眺める風習があった。三国時代(220年—280年)、晋の時代(266年—420年)になると、重陽節はハイキングに出かけて登山するというスタイルに発展した。唐の時代(618年-907年)以降は登山がブームになり、歴代の皇帝や詩人が重陽節の登高の風習を描いた詩を数多く残している。
郭氏は、「旧暦9月9日の重陽節は、ちょうど一年の季節的な折り返し点にあり、元々は高齢者と必然的なつながりがあるわけではなく、文人たちの活動が中心だった。9が並ぶことから、昔の人はこの日をものごとが頂上に達して衰退する日、利益を求めて害を避ける日としてきた。登高は体を鍛える風習であるほか、昔の人の天地合一の思想が具体的に現れたものともいえる」と述べた。
重陽節に高い所に上って遠くを眺めることには、山に対する畏敬の念が込められている。高い所で万物の陽の気をいっぱい吸い込み、天により一層近づくことには、何物にも代えがたい爽快感や広々とした感じがある。昔の人の重陽節の登高には優雅でゆったりした情緒があり、高い山や塔などの自然の名所や歴史的な旧跡へ出かけ、友人と車座になって菊の花を鑑賞したり、お茶を飲んだり、詩を作ったりすることが多かった。
民俗の観念では、重陽節の9(月)9(日)という数字は「久久」と音が同じであることから、生命は末永く、健康で長生きをするという寓意がある。重陽節は中国の「老年節(高齢者の日)」でもあり、中国の多くの地域で高齢者を集めて秋の登山やハイキングに出かけ、体を鍛えている。(編集KS)
「人民網日本語版」2024年10月12日
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