クリエイティブで新たな魅力を放つ農村が話題に
安徽省黄山市徽州区の古い村落が夏の観光シーズンを迎えた。写真は呈坎の古村の永興湖で筏に乗る観光客。(撮影・樊成柱。写真提供は人民図片)
ステージの上では、6人の若い歌手が楽器を演奏しながら歌い、ステージの下では、上海市や浙江省杭州市から来た観光客がメロディに合わせてハミングしていた。夜の帳が下りる頃、「Nian」と名付けられた農村コンサートが浙江省金華市浦江県虞宅郷新光村の小さな広場で行われた。同村は300年以上の歴史を持つ伝統ある村で、「江南の喬家大院」と呼ばれ、保存状態の良い古い建築物がたくさんある。コンサートの「Nian」は「廿」の中国語の読み方で、村の古い建築物「廿玖間里」とも関係がある。コンサートの開催と時を同じくして、村のカフェ、木彫り手工芸品の店、陶磁器の店はどこも人でいっぱいになっていた。人民日報海外版が伝えた。
浙江省金華市磐安県盤峰郷欅渓村には保存状態の良い古い庭園が10数ヶ所、古い民家が200軒あまりある。同村は森林資源と古建築の文化を利用して、新たな業態を発展させている。写真は欅渓村を散策する観光客の様子。(撮影・陳月明。写真提供は人民図片)
今から10年前、新光村は寂れた無名の村で、「空心村(過疎で農村住民が不在となり建物だけが残されている村)」になったこともある。2015年、浦江青年創客(アイデアを現実に変える人)連盟の責任者である陳青松さんが同村にやって来ると、青年創客を20数人募集し、村の古い建築物10数棟を借り切り、改修して無形文化遺産の技術を展示したり各種の文化芸術製品の営業をしたりするクリエイティブスタジオに生まれ変わらせた。また「廿玖間里」クリエイティブマーケットも創設した。古い村とクリエイティブが手を結び、同村はたちまち評判になり、各地から訪れた観光客が古い村の新しい魅力を楽しむようになった。
安徽省黄山市徽州区西渓南鎮西渓南村も同じくクリエイティブによって新たな魅力を放つようになった村だ。同村には1200年以上の歴史があり、明・清時代の100棟以上の建築物や水利遺産などの文化遺産がある。ここ数年、村内の古い民家を活用して、徽州の特色を備えた文化観光業態を打ち出し、一部の古い建築物が「古いまま修復」されることによって民宿、バー、カフェ、クリエイティブ拠点などに生まれ変わり、人々が伝統ある村の生活を楽しむうってつけの場所になった。
ここ数年、江西省撫州市金渓県は古村観光景勝地の常態化された無形文化遺産のパフォーマンスを行い、現地の古村の観光産業の発展を促進している。写真は同県双塘鎮竹橋村の無形文化遺産の「手揺獅」のパフォーマンス。(撮影・鄧興東。写真提供は人民視覚)
最近、同村を訪れた後、SNSプラットフォームに動画や写真をアップするとともに、「ここで現実の中にある『オズの魔法使い』の世界を見つけた」とキャプションを添えるネットユーザーが多く現れた。同村はSNSの検索ランキングに登場し、白い壁と黒い屋根、流れる小川に小さな橋がかかった詩情あふれる田園風景により、多くの人々の心の中で現代の「桃源郷」になった。この現象は同村が文化観光を巡って積み上げてきた豊富な蓄積と関係があり、現地の積極的なプロモーションとも切り離せない。昨年以来、同村はさまざまなイベントを20回以上相次いで実施し、たとえば第1回国際「村BA」バスケットボール大会、中国民謡祭り、農村観光祭りなどを開催した。また同村はSNSプラットフォームを積極的に利用している。大まかな統計によれば、今年の「メーデー」(5月1日)連休には、観光客の約3分の1はSNSがきっかけで同村を訪れたという。西渓南村が話題になるにつれて、より多くの観光客が訪れるようになり、村の古い建築物の美しさを「発見」するようになった。(編集KS)
「人民網日本語版」2024年8月16日
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