美しいだけでなく、豊かな暮らしもたらす蓮の花 江西省広昌県
真夏になると、江西省広昌県に連なる蓮池は、緑の葉でぎっしり覆われ、美しく咲いた蓮の花が風に吹かれると、さわやかな香りがほんのり漂い、多くの観光客で賑わう。
江西省広昌県驛前鎮姚西村の中国蓮花景勝地(撮影・程孟玲)。
「中国の白蓮の里」と呼ばれる広昌県の白い花を咲かせる蓮の栽培面積は約7333ヘクタールをキープし、その産業の生産高は年間36億元(1元は約21.5円)以上に達している。
白蓮の花の香りに誘われたミツバチ(撮影・熊錦陽)。
広昌県が取り組んだ宇宙育種の成果「太空蓮」は、湖南省や湖北省、浙江省、四川省などでも栽培されており、中国全土の白蓮の主な産地の栽培面積の80%以上を占めている。
見頃を迎えた蓮の花(撮影・陳家楽)。
美しく咲き誇る蓮の花(撮影・劉力鑫)。
広昌県は、昔から「蓮の里」と呼ばれ、その蓮栽培は1300年以上の歴史を誇る。同県の驛前鎮姚西村は、世界でも、連続する蓮池の面積が最も大きく、鑑賞価値が最も高い蓮の花の名所となっている。
ギネス世界記録の認定を受けた「世界最大面積の蓮池」(撮影・劉力鑫)。
広昌県驛前鎮姚西村景勝地の「世界最大面積の蓮池」で記念撮影する観光客(撮影・任海霞)。
広昌県は1994年、「中国地方名特優産品命名大会」で、「中国の白蓮の里」の称号を授与された。広昌県の白蓮は、栄養が豊富で、薬用として幅広く用いられるなど優れた品種で、「貴重な蓮の品種」と称されてきた。
1984年、中国初の蓮の専門研究機関「広昌県白蓮科学研究所」が発足した。同県は1990年代から、白蓮の宇宙育種の研究に取り組み、白蓮の種を宇宙船や衛星に載せ、地上に戻って来た種を植えて、生産量が多く、品質が優れ、開花期が長い新品種「太空蓮」の開発に成功した。
広昌県姚西村で咲き誇る白蓮の花(撮影・熊錦陽)。
「太空蓮」のうち、生育期が長く、花がたくさん咲き、花托が大きく、結実率が高く、種が大きく、高品質といった長所が一つになった「太空蓮」36号は、中国の蓮の実生産エリアで主に栽培されている品種となっており、その栽培面積は約13万3333ヘクタールで、中国全土の80%以上を占めている。
蓮の花が美しく咲き誇る蓮池(撮影・高雅)。
浙江省杭州市の西湖や河北省の北戴河、北京市の北海公園といった中国各地の水景をメインとした有名な景勝地で、花を咲かせている蓮の花のほとんどは、広昌県産の「太空蓮」にルーツがある。
現地の人々の暮らしを豊かにしている蓮
テクノロジーが駆使され、広昌県の白蓮の栽培面積と品質は質的変化を積み重ね、白蓮の産業も従来の栽培から質の高い発展へと向かっており、現地の村民は白蓮を豊かな暮らしの扉を開ける「金のカギ」と見なしている。
成熟した蓮の花托を収穫する男性(撮影・熊錦陽)。
現時点で、広昌県の白蓮の栽培面積と生産量は中国全土の県級市(行政区画の単位で「県」と同じ区分にある市)の中でトップ。乾燥蓮の実(芯なし)の生産量は年間9000トン、その生産高は8億元以上に達している。広昌県は、中国最大の白蓮科学研究生産拠点と集散拠点であり、同時にその価格もここで決まるようになっている。
輸出する蓮の実ジュースを検査する税関の職員(写真提供・江西省撫州市税関)。
広昌県産の蓮製品をPRするライブ配信パーソナリティー(撮影・謝欣)。
蓮池をバックにライブ配信をする女性(撮影・劉力鑫)。
広昌県には今、白蓮関連の商品を開発・加工する企業が24社、国家級リーディングカンパニーが1社、省・市級農業産業化リーディングカンパニーが5社、白蓮生産専業合作社が130社あり、独自ブランドの商標登録は200件以上に達している。
白蓮産業がもたらす直接経済効果のほか、広昌県は近年、観光価値や高付加価値加工といった分野を踏み込んで発掘し、白蓮産業の付加価値を高め、その発展に新たな活力を注ぎ、成長ポイントをもたらしている。
2023年広昌県第18回蓮の花観光文化フェスティバルの様子(撮影・熊錦陽)。
例えば、蓮の花を鑑賞したり、蓮の実を味わったり、娯楽、飲食を楽しんだりするイベントを売りにしたアグリツーリズム商品体系や、驛前蓮の花古鎮、姚西蓮の花第一村といった蓮の花を鑑賞できる観光ルートなどを打ち出しているのが功を奏して、中国各地から年間延べ200万人以上の観光客が広昌県に訪れるようになっている。
伝統衣装を着た女性が蓮池の周りを歩く華やかなショー(撮影・熊錦陽)。
今年1-5月だけを見ても、広昌県を訪問した観光客は延べ334万8000人で、観光収入は約21億元に達した。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年7月23日
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