ジューシーな江蘇省陽山鎮産の水蜜桃 年間生産高は20億元以上
夏本番を迎え、桃がおいしい季節となった。桃の品種はとても多いが、その中でも特に味の良さで有名なのが「水蜜桃」だ。小さな穴を開ければ、そこから甘い果汁が溢れ出すほど。そして、皮をむいて口に入れると、ジューシーでまるでとろけるような口当たりというのがその特徴だ。
江蘇省や浙江省、上海市などでは水蜜桃の生産が非常に盛んだ。なかでも江蘇省無錫市陽山鎮産の「水蜜桃」は特に有名で、毎年夏になると、中国各地へ出荷されるほか、海外にも輸出されている。
江蘇省陽山鎮産の水蜜桃
7月の陽山の水蜜桃の重さは平均300-350グラムで、大玉になると500グラム以上になる。皮は薄く、肉厚で、柔らかい口当たりで、さっぱりとした甘さが特徴だ。糖度は平均約15度で、最高で23度に達する。ちなみに夏によく食べるスイカの糖度は12度前後となっている。
では、陽山産の水蜜桃がこんなにおいしいのはなぜなのだろうか?
1つ目の理由としては、地理環境と気候条件に特に恵まれているからだ。様々な種類の微量元素を豊富に含む中酸性の火山性土壌や年間3000時間という日照時間の長さ、夏は高温多雨といった条件が重なり、陽山では特においしい水蜜桃が生産できる。
また、陽山鎮の人々の努力とも密接な関係がある。桃畑には、袋かけされた水蜜桃が鈴なりになっている。現地のある桃農家は、「防虫、防鳥、日焼け防止などの効果がある物理的な方法の袋かけをすることで、水蜜桃の品質を高めている。順調に育っている水蜜桃は人の手で一つ一つ袋かけをすることで、そのまましっかり生長していく。こうして育てた水蜜桃は見た目に優れ、その糖度も高くなる」と話す。
袋かけされた水蜜桃
さらにテクノロジーイノベーションも、桃の生産をバックアップしている。例えば、カメラやセンサー、各種モノのインターネット(IoT)の設備を活用して、桃畑の温度や湿度、日照、土壌の湿度といったデータを全天候モニタリングしている。技術者はIoTの設備を通して、データを収集し、分析した上で、施肥や水やりなどを行い、全ての桃の木に対して質の高い管理を確保している。
今年、陽山鎮の水蜜桃は需要が急速に高まり、現時点で、ECプラットフォーム「拼多多」の売上高は前年同期比で15-20%増となっている。
この他にも鮮度を保つ先進技術や産地直送、税関の「グリーンチャンネル」などを通して、新鮮な陽山産の水蜜桃が優先的に輸送されるようになっており、販売半径の拡大がバックアップされている。そして、シンガポールやアラブ首長国連邦などへも輸出されるようになっている。2023年、陽山産の水蜜桃の輸出量は1万ケースに達した。シンガポールを例にすると、空路でわずか5時間で輸送され、ただちに現地の生鮮スーパーまで配送されて販売されている。
江蘇省陽山鎮産の水蜜桃を使った料理
2023年、陽山の桃の産業チェーンの生産高は20億元(1元は約21.5円)に達した。そして陽山の農民の1人あたり可処分所得は6万6000元に達した。また、同年、陽山を訪問した観光客は延べ200万人、観光収入は15億8000万元に達し、約1万2000人の雇用を創出した。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年7月23日
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