遭難者救助のため36万元のカニ籠を放棄、船長に25万元の奨励金
浙江省舟山市のカニ漁船「浙岱漁11492」号船長の沈華忠さんは先ごろ、海で操業中に16人の遭難者を発見した。当時、カニ籠には6000匹のカニが入っており、価値にして36万元(1元は約20.7円)に相当したが、沈さんはカニ籠を引き揚げることをやめ、16人を自分の漁船に救助した。浙江省舟山市人民政府は13日、沈さんに「見義勇為賞」(「義を見て勇を為す行為」を表彰する賞)として25万元を授与することを決定した。中央テレビニュースが伝えた。
事故発生日の午前中、「浙岱漁11492」号は長江口漁場162海区でカニ漁を行っていた。沈さんは海面から煙が昇っていることに気づき、長年の経験から、海に落ちた人の発煙弾による救助要請と判断した。沈さんは直ちに船員と救助に向かうことにした。船を軽くするため、カニ籠のロープを切るよう命じ、煙が昇っている海域に向かった。
沈さんが到着後に目にしたのは、海に浮かぶ救命ボートに乗った15人の船員たちだった。他にも1人の船員が海の中に浮かんでいた。沈さんはまず海に落ちていた1人の救助を指示し、それからボートの船員全員を自分の漁船に救助した。救助には約30分かかった。
説明によると、遭難船は石炭輸送船で、すでに沈没していた。救助された16人の船員はいずれも外国籍。沈さんと船員は彼らに着替えと食料を提供した。16人の健康状態は現在良好だという。
沈さんによると、6000匹以上が入ったカニ籠の価値は36万元以上だが、籠を引き揚げて回収するには時間がかかるため、ためらうことなくロープを切断したという。「できる限り人助けをしたかった」と沈さんは言う。
実は、沈さんが海上救助をするのは今回が初めてではない。2021年に16人の遭難者を救助し、この時も価値にして十数万元するカニ籠のロープを切た。沈さんはこの人命救助により、第8回浙江省「見義勇為」道徳模範に選ばれた。それから3年後、沈さんは再び果敢に救助を行った。(編集YF)
「人民網日本語版」2024年3月18日
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