お金ももらえて赤ちゃんトラをモフモフできる仕事?実はかなりハード
中国のネット上では最近、「お金ももらえて赤ちゃんトラに触れることのできる仕事」に従事している95後(1995-99年生まれ)の女性・施霞敏さんが話題を集めている。彼女は浙江省の動物園「湖州竜之夢動物世界」の飼育員であるだけでなく、ショート動画共有アプリ「抖音(中国版TikTok)」のアカウントで80万人以上のフォロワーを抱えるブロガーでもある。
施さんは、一般には公開はされていない猛獣の幼獣たちの世話をする「幼稚園」のような部署に所属しており、他の飼育員3人と一緒に幼獣の世話に明け暮れる日々を送っている。
この「幼稚園」に連れられてくる幼獣たちはどれも弱っていたり、負傷していたり、母親から育児放棄されてしまった幼獣となっている。一般的に治療や回復には3ヶ月ほどかかり、健康になると「卒園」して、各動物を担当する飼育員がその後の世話を引き継ぐことになるのだという。
4年前、施さんが撮影したアムールトラの赤ちゃんのショート動画がネット上で話題を集めたのをきっかけに、施さんはネットユーザーから、「幼獣のママ」と呼ばれるようになった。施さんはこれまでに、トラの幼獣50匹以上のほか、クマやサル、カンガルーといった数多くの幼獣の世話をしてきたため、フォロワーからは、「真の百獣の王と言えるかも」といったコメントが寄せられているほどだ。
施さんがアップしている幼獣を映した動画を「羨望の眼差し」で見るネットユーザーからは、「私が夜勤を代わるので、帰ってゆっくりして」や「園長に頼んで私に2ヶ月くらい夜勤させてほしい」といったコメントも寄せられている。
ただ、動物の飼育員というのは、想像しているほど簡単ではない。この「幼稚園」では1回の夜勤が7日連続であるほか、幼獣には夜間だけでもミルクを3回与える必要がある。それだけでなく夜通しそのエサの食べ具合や状態を観察し、何度も体温測定をしなければならない。生後1-2ヶ月ほどの幼獣の場合、肉をすりつぶし、卵の黄身を加え、ビタミンやカルシウムの錠剤と混ぜて、手を使って少しずつ食べさせなければならない。ミルクの場合でも、一滴ずつあげなければならないようなケースもある。
「飼育員は強い意志がなければできない」と話す施さんがこれまで経験した最もハードだった夜勤は、1人で幼獣38匹の世話をした夜勤だったそうで、その大変さは推して知るべしだ。
施さん自身も多くのフォロワーたちと同様、「モフモフ」な小さな動物が大好きであるため、飼育員になったというものの、仕事を始めてから、「この子たちはとても利口で、話すことができない子供のようだと知った」としている。
そこから施さんの撮影する動画にも変化が生じ、「かわいさ」だけでなく、これらの幼獣たちのより様々な一面を紹介するようになっていった。動物でもその性格はそれぞれ異なり、人間の気持ちを理解することができ、飼育員の苦労も分かっているという。
動物の成長を記録しているほか、施さんは「自然に関する知識の発信者」としてライブ配信を行い、動物保護の理念や知識などを紹介している。その甲斐あって、実際に動物園に行って動物と触れ合うようになるネットユーザーも増えているという。
今年の春節(旧正月、今年は2月10日)に合わせた8連休中だけでも、施さんのショート動画アカウントやライブ配信アカウントを通して販売された「湖州竜之夢動物世界」の入場券は4000万枚以上に達した。
幼獣がすくすく成長し、動物園にたくさんの人が詰めかけるのを見て、施さんは「動物たちのママ」として充実感に浸り、幸せを感じている。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年3月12日
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