高水準の開放で高まる魅力 中・西部地域が外資の「新たな投資先」に
今年の政府活動報告では「外資誘致の取り組みの強化」が再び強調された。年明け以来、外資系プロジェクトの新たな動きが相次ぎ、多くの外国企業が中国での事業拡大に一段と力を入れている。外資による投資が増加し続ける背景には、世界の投資家を引き寄せるどのような要因があるのだろうか。
最新の統計によると、今年1月、中国の実行ベースの外資導入額は前月比で20.4%増加した。中国で新設された外資系企業は4588社で、前年同期比74.4%もの増加率を示した。外資の中国への投資熱は高まっている。
上海自由貿易試験区臨港新片区では、20人余りからなる専門チームが中国初となるデータ・クロスボーダー分類管理リストの作成を急いでいる。この長いリストには、自動車、海運、金融、バイオメディカルの4大分野における10以上の利用シーンと数百のデータフィールドが含まれる。スタッフによると、以前はデータのクロスボーダー移転には複雑な承認手続きが必要だったため、多国籍企業にとって障害となっていた。しかし今後は、企業がこのリストに従って手続きを進めることで、データのクロスボーダー移転がより安全かつ素早く秩序あるものとなる。
全国規模でも、一連の開放措置の実施が加速している。全国版外資参入ネガティブリストは93項目から31項目にまで削減された。製造業の外資進入制限は年内に完全に撤廃され、通信・医療などサービス業の参入条件も緩和が続く。
制度的模索の深まりによって、中・西部地域には新たに進出する企業が増え、新たな受注が舞い込むようになり、ますます多くの中・西部地域のエリアが外資による投資の「新たな選択肢」となってきている。新疆自由貿易試験区のある繊維機械製造企業は今年、中央アジアなどの新規取引先を6社獲得し、新規受注も20%増加した。重慶両江新区では、日立エナジーの世界最大かつ最もスマート化された変圧器製造工場が正式に生産を開始した。陝西省西安市では、カザフスタンの中国における商業貿易物流センターとなる「カザフスタン西安埠頭」プロジェクトが正式に始動した。
現在、中国の製造業はハイエンド化、スマート化、環境配慮型化のモデル転換と高度化を加速している。そして中国の産業の高度化への融合を加速することも、外資系企業のコンセンサスとなっている。北京では外資の研究開発(R&D)センターの総数が、すでに100以上に達している。広東省では、製造業分野の外資による投資の半数以上がハイテク製造業に対して行われている。
中国マクロ経済研究院対外経済研究所の羅蓉所長は「中国の実行ベースの外資導入に占めるハイテク産業の割合は、ここ5年間年々上昇しており、一定規模以上(年売上高2000万元以上)の外資系工業企業の売上高に占めるR&D投資の割合も上昇傾向にある。これは、中国の先進的産業チェーンの構築とイノベーションチェーンの高度化に参加し、R&Dやサービスなど高付加価値段階を一層重視する外資系企業の増加を示している」と語る。(編集NA)
「人民網日本語版」2024年3月11日
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