西蔵の産業発展に新たなアプローチをもたらす5Gフルカバー
携帯電話を手に取り、バックパックを背負った西蔵(チベット)自治区林芝(ニンティ)市巴宜区拉丁嘎村の森林警備員の索朗次仁氏は、再び森林巡回の道を歩き出した。人民日報が伝えた。
巴宜区の北西部に位置する拉丁嘎村は、鬱蒼とした原生林に囲まれている。索朗次仁氏は林道を奥まで進みながら、時おり周辺の木々を撮影・記録し、発見した問題を速やかにシステムのバックグラウンドにアップしている。これは林芝市が森林警備員のために特別に作った携帯アプリで、巡回中に発見した問題を記録できるだけでなく、森林警備員の足跡を記録することもでき、森林保護活動の科学性と正確性を保証している。
このすべてには安定的なネットワークのサポートが不可欠だ。索朗次仁氏は取材に、「村が5Gネットワークに接続してから、私たちが使える設備と施設が増え続けていき、果たす役割も大きくなり続けている」と述べた。
村の入口の道路では、格桑才旦氏はよくライブ配信を行う観光客を目にする。周辺が有名な森林公園であることから、多くの観光客が旅の途中に拉丁嘎村を訪れる。村をカバーする5Gネットワークにより、これら観光客によるシェアがよりスムーズになり、訪問もより便利になった。
よりスムーズになったネットワークにより、外部の人の林芝への理解がより深まっている。毎年の3、4月になると林芝桃花祭りが複数の地域で開幕し、多くの観光客が集まるようになる。5Gネットワークの広帯域により、これらの景勝地では桃の花の風景をゆっくり楽しむライブ配信が行われ、各地の視聴者は外に出なくても桃の花の美しい風景を観賞できる。また米林県のリンゴとブドウ、察隅県のキウイフルーツ、墨脱県の土鍋とお茶などが5Gネットワークにより、収穫地の現場でライブ販売され、農家が豊かになり、農業の振興につながる。
5Gネットワークのカバーは産業の発展にも新たなアプローチをもたらした。情報化技術と従来的な農業をより良く結びつけるために、山南市雅礱生態農牧業有限公司はスマート温室を建設した。5G+IoT(モノのインターネット)技術を応用し、農業温室の栽培・生産の自動化と管理のスマート化を実現した。毎年人件費を650万元(1元は約20.6円)節約し、トウモロコシの生産量を15%、トマトの生産量を29%増やしている一方で、メンテナンスコストを従来水準の50%に下げている。
拉薩(ラサ)市墨竹工卡県甲瑪郷の巨竜銅鉱の平均標高は4000m以上。この過酷な作業環境に直面した西蔵巨竜銅業は、露天掘り鉱山「5G+自動運転」応用プロジェクトを実施することにより、人員を効果的に削減し、作業環境を改善することで、西蔵のインダストリアルインターネット分野の高度化・トランスフォーメーションに対してベンチマーク的な役割を果たしている。
西蔵自治区通信管理局のデータによると、同自治区全体で完成した5G基地局は8700ヶ所以上、5Gユーザー数は184万人、すべての郷・鎮の5Gネットワークフルカバーが実現した。区全体の1万人当たり5G基地局数は23ヶ所で、全国平均水準に達している。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年11月30日
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