「Catch the beauty of the soul on this land」とネット上のプラットフォームを通じて寧夏回族自治区固原市西吉県にある小さな村の大きな変化を、流暢な英語で紹介するのは「80後(1980年代生まれ)」の男性・馬亮さんだ。これらの動画は注目を集め、多くの人が農村への印象を新たにしている。人民網が報じた。
英語で生まれ故郷の美しい景色を紹介する馬亮さん(動画のスクリーンショット)。
西安外国語大学の英語学科を卒業した馬さんはこれまでどのような道を歩むべきか迷い、様々な仕事を経験してきたという。教師をしたこともあれば、政府機関で働いたこともあったという。2019年にちょっとしたことをきっかけにメディア業界に足を踏み入れ、そこで人生の新たな舞台を見つけることができたと感じたのだという。
「僕は農村出身。勉強や仕事のために山を出て、都市に何年も暮らした。でも、心の中では、ずっと農村が恋しく、心残りがあった」と話す馬さんは、地元に戻り、キャリアを積むことにした。
地元に戻った後、周囲の人からは、「せっかく山から出て都市に行ったのに、なんで帰ってきたの?」や「また山の中に帰って1からやり直すなんて、せっかく学んだことが無駄になる」、「英語を専門に学んだのに、農村に帰ってきてもそれを使う機会がない。勉強したことが無駄になってしまう」といった反対を唱える友達が少なくなかったという。馬さんは、「本当に傷ついた」と苦笑するものの、それで動揺することはなく、こうした意見に真剣に耳を傾けることで、逆に将来をしっかりと見据えることができたという。
馬さんが出した答えとは「世界は広い。できることはたくさんある」というものだった。
英語で生まれ故郷の美しい景色を紹介する馬亮さん(動画のスクリーンショット)。
生まれ故郷の激変する様を目にし、肌で感じた馬さんは、その全てを記録し、伝えていく義務と責任が自分にはあると感じるようになった。そこで得意の英語を活用して、友人たちと一緒にショート動画を制作し、オンラインプラットホームに投稿するようになった。すると、4本目の動画を投稿した時点で、ショート動画プラットホームの再生回数が100万回に達した。
ネットユーザーのコメント(キャプチャ画面)。
「高等教育を受けるのは、生まれ故郷をよりよく建設していくのがその目的という言葉があるように、山の中の『種』が期待に背くことなく芽を出し、『環境』を保護するようになっている」。
「のどかな農村の景色はプラスのエネルギーに満ちている。世界に向けて中国の農村の生活を発信しているあなたを応援している」。
ネットユーザーからは応援するメッセージが次々と寄せられており、馬さんは今後も生まれ故郷で今の仕事を続けていく自信を深めている。
馬さんは、「閲覧数などに左右されることなく、生まれ故郷に融け込んだコンテンツを作成し、真に美しく、善良な普通の人の姿を発信したいというのが、僕たちが生まれ故郷に戻って、やりたいと思っていたこと。数分のコンテンツを通して視聴者にありのままの生まれ故郷を知ってもらい、恒久的でバイタリティある力を、人々に伝えていきたい」としている。
馬さんがこうしたことを続けて行けるのも、その背後に両親のサポートがあるからでもある。「地元に戻ってから、母はご飯を作っている時に、英語を聞かせてほしいと言うようになった。母は英語など全く話せもしないが、毎日英語の練習をするようにと、僕をずっと励ましてくれている。父も口数こそ少ないものの、『農村こそがお前のルーツ。頑張って生まれ故郷に貢献するように』と、いつも諭してくれる」という。
こうした両親の教えが馬さんに与える影響も大きい。現在、農村は大きく変化しており、たくさんの若者が生まれ故郷に戻っている。そして、中国各地のネットユーザーもまた、ショート動画などを通して、美しい生まれ故郷や美しい寧夏回族自治区を再び知ることになり、新時代の農村に生じている極めて大きな変化を目にしている。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年7月12日