国際原子力機関(IAEA)が日本の福島原発汚染水の処分に関する包括報告書を発表したことについて、外交部(外務省)報道官が4日、質問に答えた。
【記者】IAEAが日本の福島原発汚染水の処分に関する包括報告書を発表し、日本の原発汚染水海洋放出計画は国際安全基準と全体的に合致するとの認識を示し、海洋放出活動をIAEAが長期にわたり監査・モニタリングしていくことにしたとの報道について、中国側としてコメントは。
【報道官】IAEAが日本の原発汚染水海洋放出計画について発表した包括報告書に、中国側は注意を払っている。この報告書はレビューに参加した全ての専門家の意見が十分に反映されておらず、その結論は各専門家の一致した同意を得られていないという。中国側はIAEAが報告書を性急にまとめたことに遺憾の意を表明する。
我々は、IAEAの報告書は日本が海洋放出を行うための「許可証」にはなり得ないと考える。IAEAは与えられた権限に限りがあったため、日本側の海洋放出計画の正当性・合法性を審査しておらず、日本側の浄化装置の長期的な有効性を評価しておらず、日本の原発汚染水データの真実性・正確性を確実に証明しておらず、その結論には比較的大きな限界性と一面性が存在する。また、グロッシIAEA事務局長が「日本側の海洋放出にお墨付きを与えるものでは断じてない」と表明したことに、我々は注意を払っている。
日本側は経済的コストを考えて、国際社会の懸念や反対を無視し、原発汚染水の海洋放出を頑なに決定し、太平洋を「下水道」と見なしている。報告書の内容がどうであろうとも、日本側が今後30年間にわたり100万トン以上の福島原発汚染水を太平洋に放出し続けることは変わらない。日本の浄化装置は長期間効果を維持できるのか?基準値を超過した放出の状況を、国際社会は直ちに把握できるのか?放射性核種は長期にわたり累積・濃縮されるが、これは海洋の生態環境、食品の安全、人々の健康にどのような影響を与えるのか?これらの問題のいずれについても、IAEA報告書は答えていない。
中国側は改めて日本側に対して、原発汚染水の海洋放出計画を停止し、しっかりと科学的で安全かつ透明性ある方法で処分を行うよう促す。それでも独断専行した場合、必ずや日本側は全ての重大な結果を負うことになるだろう。中国側は日本側に対して、IAEAと協力して、日本の近隣諸国などを含むステークホルダーが参加する長期的な国際監視測定制度を早期に構築するよう促す。(編集NA)
「人民網日本語版」2023年7月5日