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米国の対米外国投資委員会(CFIUS)はこのほど、ショート動画共有アプリ「TikTok」を脅迫し、親会社のバイトダンス(字節跳動)社にTikTok株を売却するよう要求し、従わなければ米国でのアプリの利用を禁止するとした。これは米国が国家安全保障の概念を拡大することの、また1つの例証だ。ここ数年、米国は虚偽の情報をまき散らし、国の力を利用して中国関連企業を理由もなく抑圧し続けてきた。こうした臆面もなく、手段を選ばずに企業をおしつぶすやり方は、強盗や強奪と何ら変わるところがない。
米国政府がTikTokを抑圧するのはこれが初めてではなく、「中国脅威論」を繰り返し言い立て騒ぎ立てることを背景として、しきりに「国家安全保障」の旗印を掲げ、TikTokは米国ユーザーのデータを「中国政府に渡している」可能性があるとでたらめを言い、各手段を駆使してTikTokを脅迫し、言うことを聞かせようとしてきた。
TikTokによると、同社は15億ドル(1ドルは約132.6円)を投じて米国で「プロジェクト・テキサス」を打ち出し、データセキュリティをめぐる要求を満たすために、米ユーザーのデータをテキサス州にある米オラクル社に保存するとした。しかしこうした対応をしても米側が「手を緩める」ことはなく、TikTokは米国で厳しく禁止される状態が続いている。今年2月、ホワイトハウスは米政府機関に対し連邦政府の設備やシステムでTikTokを使用禁止にするよう求めた。
米政府のTikTokに対する抑圧は、一部の米企業の上層部と政治屋が共謀してTikTokへの攻撃を後押ししているからでもある。フェイスブック(現メタ)のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)はTikTokがこれまで米国で遭遇してきた政治的な脅威の重要な推進役であり、以前に米国議会で「中国政府は米国企業の技術を盗んだ」と何度も主張し、「中国脅威論」を繰り返し騒ぎ立ててきた。その根本的な原因はTikTokが登場してから、世界規模でフェイスブックの市場地位にとって挑戦となっていたからだ。TikTokが抑圧されることで直接的な恩恵を受けるのはオラクル社で、その創業者のラリー・エリソン氏も「中国脅威論」を繰り返し騒ぎ立ててきた。
米国のTikTokに対する抑圧は、典型的な脅迫的取引で、米国型イデオロギーの強要に満ち、私利が公理に勝り、米国のいわゆる市場経済と公平な競争はもはや有名無実化している。世界各国の政府と企業はTikTokが米国で抑圧される最初の企業ではなく、絶対に最後の企業にもならないことを認識するべきだ。米国のこうした覇権的で横暴なふるまいは、市場の原則と国際ルールに違反しており、損害を被るのは決してTikTokだけではなく、米国自身と米国のビジネス環境により大きな損害を与えることになり、米国経済に必ずや長期的なマイナス影響を与えることになるだろう。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年3月22日