広西壮(チワン)族自治区柳州市柳城県六塘鎮に住む韋新旺さん(48)の家には、つやの良い新鮮な「豚バラブロック」が整然と並べられている。これらの「豚バラブロック」は、つやつやとした皮付きであるばかりでなく、脂身と赤身の層がはっきりと分かれている。しかし、近づいてそれを手の上に載せてみると、ひんやりしている。なぜならこれらは実は豚肉そっくりの奇石だからだ。中国新聞網が報じた。
「ポークストーン」加工職人の韋新旺さん(撮影・韋国政)。
記者の一人は、「こんな変わった石はこれまで見たことなかった」と目を丸めていた。
この石は豚肉にそっくりなため「ポークストーン」と呼ばれおり、柳州市で数多く産出されている。地殻変動の過程で、堆積岩や変成岩が他の鉱質物に触れて色が変わった純天然の奇石だ。
「ポークストーン」の加工職人である韋さんは、奇石の加工業界で働いて30年になるベテランだ。近くの鉱山から仕入れた「ポークストーン」の原石をカットして磨き、研磨すると、豚肉そっくりの「ポークストーン」が出来上がる。
中国で有名な「奇石の街」である柳州市は豊富な鉱石資源を誇り、昔から奇石や怪石を大量に産出してきた。奇石を観賞する風潮が同市では数千年にわたり受け継がれてきた。「ポークストーン」は現在、最もよく売れている石の一つとなっている。
つやつやの「皮」が付いているだけでなく、脂身と赤身の層がはっきり分かれている「ポークストーン」(撮影・韋国政)。
インターネットを活用したライブ配信が大ブームとなっているのを背景に、一風変わった「ポークストーン」が大ヒット商品となり、多くの人に知られるようになった。韋さんの年間売上高は20万元(1元は約19.7円)に達し、広東省や山東省、香港特別行政区などで販売されているほか、日本や韓国といったアジアの国にも輸出されている。
韋さんは、「中国の伝統的な風俗や文化において、豚は幸せやめでたいことの象徴。『ポークストーン』には、『一年中食べる肉があり、いつも食糧が余分にあること』を願う思いが込められている。中国ではとても人気がある」としている。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年11月12日