中国の研究で77ヶ国の低炭素経済状況が明らかに

人民網日本語版 2022年05月09日11:10

低炭素経済の規模と質をいかに評価するか?西南財経大学エネルギー経済・環境政策研究チームはこのほど、画期的な方法を考案した。同チームの陳建東教授、博士課程在学中の高明氏らは「ネイチャー」の姉妹誌である人文社会科学誌「Humanities & Social Sciences Communications」に論文を発表した。質と規模を兼ね備えるという視点から、世界77ヶ国の低炭素経済の発展状況を評価するとともに、的を絞った提案を行った。科技日報が伝えた。

陳氏によると、経済発展と二酸化炭素(CO2)排出急増の抑制は、低炭素経済の2つの重要部分であり十分に重視されるべきだ。そのため低炭素経済の規模と質を統一的な分析枠組み内に組み入れるべきだ。しかし従来の研究は往々にしてそのどちらか1つばかりに焦点を当てており、ある程度偏っていた。同時に植生炭素固定能力の影響を考慮する研究がめったになく、各国が本来備わっている自然条件を見落としており、分析が全面的になっていない。そこで今回の研究は夜間照明データを修正したGDPを踏まえ、植生炭素固定能力と結びつけ、世界77ヶ国の低炭素GDP及び低炭素GDPの対GDP比の計算によって、低炭素経済の規模と質を反映した。この研究が採用したデータの大半がリモートセンシング衛星のものだ。陳氏によると、これらのデータは現実的かつ客観的で、カバー範囲が広いといった優位性があり、従来の統計データの不足を補えるという。

研究によると、世界的な温暖化を背景に、中国を始めとする責任ある国はCO2排出量の削減または増加の抑制により低炭素経済を実現しようと努力している。低炭素経済規模を見ると、2019年の低炭素経済の産出量のトップ10は米国、中国、インド、日本、ドイツ、ロシア、フランス、英国、ブラジル、イタリアで、世界経済の産出量の60%を上回った。一方で同年の低炭素経済の質を見ると順位が異なり、うちアイスランド、ニュージーランド、インドネシア、スイス、アイルランド、デンマーク、フランス、クロアチア、ポルトガル、英国がトップ10となっている。

論文はさらに、世界の低炭素経済の原動力を検討した。研究によると、低炭素経済の質の改善により低炭素経済の総量拡大をもたらすが、総量拡大が質の改善を伴うとは限らない。低炭素経済の規模と質がいずれも劣る国の場合、より厳しいCO2排出削減政策により品質向上を効果的に促進できるが、質の高い国の場合それは顕著な効果をもたらさない。また植生炭素固定能力の向上、植生炭素固定量の拡大措置は、世界各国の低炭素経済の改善にとって重要な価値を持つ。(編集YF)

「人民網日本語版」2022年5月9日

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