散髪は普段の暮らしの中では取るに足らない小さな事だが、新型コロナウイルス感染拡大の影響から実施されている封鎖管理が1ヶ月以上にも達すると、すぐにも解決が必要な問題になってきている。住民たちのそんな悩ましい問題を解決するため、上海市の徐匯区虹梅街道(エリア)虹星居民委員会はコミュニティの人材を活用し、予約制を採用して、住民たちの「頭を悩ませる問題」の解決に取り組んでいる。
午後時分になると、テーブル1つに椅子2脚、バリカン2つに櫛2本、そしてケープ2枚が準備された「青空理髪店」が、風通しの良い戸外に「店開き」する。その設備はいたって簡素だが、感染予防対策はしっかり行われている。ボランティアたちは、戸外の風通しの良い場所に柵で囲った散髪エリアを設け、住民はチャットグループの予約制度で申し込み、密にならないように時間差をつけて散髪のため階下に降りてくる。理髪師たちは防護服に身を固め、マスクをして、散髪に使う器具も随時消毒を行っている。現在提供されているサービスは「カットのみ」となっているが、それでも住民たちを喜ばせており、前日に予約を受け付ける30人の枠の予約は瞬く間にいっぱいになってしまったという。
このコミュニティの住民である李さんは、封鎖管理実施前に散髪に行きそびれてしまい、もう3ヶ月近く散髪していない状態となっていた。普段から短めに刈り込んだスポーツ刈りを好む李さんにとって、それは耐え難いものだった。「頭を悩ませていた」李さんは、コミュニティの散髪サービスの情報を目にすると、急いで予約。こうして理髪師に散髪してもらった李さんは一気に気分爽快になったと言い、「伸びてしまった髪が顔にかかって、まるで抑えつけられているような気分だった。散髪を終えてすっきりしただけでなく、気分までずいぶんよくなった」とした。
この「青空理髪店」でボランティアとして散髪サービスを提供するのは、夫婦ともに理髪師で、一緒に理髪店を経営している潘玉梅さん夫婦。情に厚い二人は今回の封鎖管理期間が長引いていることを受け、散髪を必要としている住民が少なくないと考え、今回すすんでボランティアを申し出たという。
その後、虹梅街道(エリア)虹星居民委員会との協議を経て、コミュニティで毎週月、水、金の午後1時から5時まで住民に散髪サービスを提供することが決まった。(編集TG)
「人民網日本語版」2022年5月7日