生物模倣魚ロボットが実用化へ

人民網日本語版 2022年04月14日09:22

世界初の生物模倣魚ロボットのジンベイザメがこのほど、上海海昌海洋公園でお披露目された。この全長4.7メートルの巨体は水中で柔軟に動き、まるで本物のようだ。素晴らしい水中ショーを披露できるほか、センサーを搭載し水質モニタリングや撮影などが可能だ。生物模倣魚ロボットは理論の研究から実際の応用に向かい、人々に多くの期待をもたらしている。人民日報が伝えた。

学際的領域に属する生物模倣魚ロボットは、その外形的構造の設計には生体工学の原理が必要で、魚の運動を真似するためには主に運動制御技術を採用している。聴覚、触覚、視覚といった魚類の感知能力を与える場合、生態模倣側線や魚眼カメラなどのセンサーを加え、さらには人工知能(AI)によりさらに「スマート」にする。このほか、材料の製造、スマートな計画と意思決定などの技術手段も欠かせない。

異なる生物学的特性からヒントを得て、生物模倣魚ロボットにもさまざまな種類がある。中国の生物模倣魚ロボットチームはここ数年、さまざまな生物模倣魚ロボットシステムを研究製造した。これにはマグロロボットの高速航行、コバンザメロボットの自主動的吸着、世界初のイルカロボットのジャンプといった複数の成果が含まれる。

これらの生物模倣魚ロボットは見掛け倒しではなく、重要な理論的意義と広範な実用的価値を持つ。生物研究の分野では、魚類の遊泳メカニズムの研究や魚群効果などの生物学的現象の模索をサポートできる。工学の分野では、狭いまたは危険な水中環境で、水質モニタリング、サルベージ、考古学、設備の検査修理、海洋地図の測量、海洋生物の撮影、メタンハイドレートの探査などが可能だ。また海洋館では希少な野生魚類の代わりに科学教育に用いられる。一部の企業もヒントを得ており、例えばトヨタ自動車はハコフグの形を利用し車を生産している。

将来的に材料学、制御学、AIの発展に伴い、生物模倣魚ロボットが新型海洋設備として、高い生体工学的特性、高い運動特性、高い知能特性といった面で技術水準をさらに高め、人類が海洋を認識・模索・利用するためより大きな役割を担うことに期待する。(編集YF)

「人民網日本語版」2022年4月14日

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