(写真提供は新華社)
工業・情報化部(省)、国家発展改革委員会など15当局がこのほど、「『第14次五カ年計画』ロボット産業発展計画」を発表した。それによると、2025年をめどに、中国は世界のロボット技術イノベーション発展の地となり、先端製造業の集積地になり、集積応用の新たな先端国になることを目指すという。
現在、中国のロボット産業の発展に足りないものは何か。これから中国のロボット産業のイノベーション力をさらに高めるにはどうすればよいか。
良好な発展の勢いを示すロボット産業
同部装備工業一司の王衛明司長の説明によると、第13次五カ年計画期間(2016-20年)中、中国のロボット産業は良好な発展の勢いを示し、規模、技術、製品ともにブレークスルーを達成した。規模を見ると、16年から20年にかけて、中国のロボット産業の規模は急速に成長し、複合年間成長率は平均約15%になった。技術と製品を見ると、精密減速機、スマートコントローラーなどのキーテクノロジー・キーパーツのブレークスルーが加速し、イノベーション成果が次々に誕生し、完成機の性能が大幅に向上し、機能はますます豊富になり、製品の質が日に日に最適化した。同時に、応用レベルも大幅に向上したという。
中国はすでに8年連続で世界最大の産業用ロボット消費国であり、20年に製造業ロボット密度は人口1万人あたり246台に達し、世界平均の2倍近くになった。産業用ロボットの応用分野はすでに自動車、電子など52の産業大分類の143の産業中分類をカバーし、サービスロボット、特殊ロボットが倉庫・物流、教育・娯楽などの分野で大規模な応用を実現させている。
王氏は、「中国のロボット産業は部品から完成機に至り、さらには集積応用にまで至る全産業チェーンに及ぶシステムをほぼ形成しており、コア技術とキーパーツのイノベーションが秩序よく推進され、完成機の研究開発及び大量生産の能力が絶えず高まり、産業チェーンの変化に対応する能力と協同発展の能力が持続的に高まっている。しかし世界の先進レベルと比べると、中国のロボット産業にはまだ一定の開きがある。たとえば技術の蓄積が足りず、オリジナルの研究、理論の研究、フォワードデザインの能力が不足している。産業の基礎が脆弱で、キーパーツの品質の安定性と信頼性は高性能の完成機が必要とするレベルには達していない。高速、高精度、積載量が大きいといった高性能の完成機製品の供給が不足しているなどの問題がある」との見方を示した。
また王氏は、「現在、新たな科学技術革命と産業変革が加速的に進み、新世代の情報技術とロボット技術とが深く融合し、ロボット産業は高度化・バージョンアップ、飛躍的発展のチャンス期を迎えている」と述べた。
製品の高度化・スマート化を推進
現在、中国では産業用ロボットのニーズが激増し、掃除用ロボットなどのサービスロボットも生活に入り込み、商業化応用が実現したが、経済社会の発展や人々の素晴らしい生活に対する憧れに比べ、中国のロボット応用にはまだ足りないところがあり、これからさらに大きな開拓発展の可能性がある。
中国ロボット産業連盟の宋暁剛執行理事長兼事務局長の説明では、第14次五カ年計画期間(2021-25年)に、製造業などの業界の発展、家庭でのサービスといった分野のニーズに直面して、中国は産業用ロボット、サービスロボット、特殊ロボットの重点製品のイノベーションと応用を重点的に推進し、製品の高度化とスマート化への発展を推進することになるという。
宋氏は、「産業用ロボットの分野で、中国はこれから自動車、宇宙航空、鉄道交通などの分野に向けた溶接ロボット、半導体産業に向けた真空(洗浄)ロボットなどの開発を重点的に進める。サービスロボットの分野では、農業ロボット、鉱業用ロボット、建設ロボット、医療・リハビリロボット、介護・介助ロボット、家事支援ロボット、公共サービスロボットの開発に重点を置く。特殊ロボットの分野では、水中ロボット、セキュリティロボット、危険作業ロボット、衛生・防疫対策ロボットの開発に重点を置く」と述べた。
同計画は、25年をめどに、複数のロボットコア技術と先端製品でブレークスルーを達成し、完成機の総合的指標が世界の先進レベルに達成するようにし、キーパーツの性能と信頼性が世界の同類製品の水準に達成することを目指す。またロボット産業の売上高の年平均増加率が20%を超えることを目指すと明記している。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年1月5日