新型コロナウイルスの新たな変異株であるオミクロン株の感染がこのところ世界各地で拡大している。12月4日に開催された「第2回大湾区(深セン)ワクチン・サミット」メインフォーラムの院士との対話に、オンラインで参加した呼吸器疾患専門家である中国工程院の鍾南山院士は、新型コロナ感染状況をめぐる自身の最新の見解を示した。
その中で鍾南山院士は、「海外メディアの報道によると、これまでに世界各国で報告されてきた新型コロナウイルス感染者数は、数万人から数十万人に上っていた。それに対し、現在のオミクロン株感染者の人数はそれほど多くない。中国は当面、『感染ゼロ』に向けた感染防止対策を徹底し続けなければならない。こうした姿勢を維持すれば、オミクロン株を恐れる必要はない」とした。
その上で、「新型コロナウイルス感染状況が常態化していくためには、2つの条件が必要だ。まず、死亡率が0.1%を下回り、インフルエンザのレベルとほぼ同等となること。だが、現状は、まだ1%を上回っている。2番目に、実効再生産数が、約1~1.5の間にまで下がらなくてはならない。このような条件をクリアするためには、まず、全国民がワクチン接種を終え、集団免疫を確立させる必要がある。これは極めて重要なことだ。次に、コミュニティにおけるクラスタの抑え込みを常態化すること。3番目に、効果的な薬や抗体の研究開発も軽視できない課題だ」との見方を示した。(編集KM)
「人民網日本語版」2021年12月6日