秦始皇帝陵博物院の文化財修復専門家・蘭徳省氏は、「ここは、『兵馬俑』の専門ホスピタル。私達は患者を治療するかのように、文化財を修復している」と笑顔で話す。蘭氏にとって、兵馬俑は人間と同じようなもので、兵馬俑の修復専門家というのは医師と通じる部分がたくさんあるという。中国新聞網が報じた。
周りに兵馬俑が立ち並んでいなければ、顕微鏡や超音波検査、内視鏡、スタンドルーペ、さらには歯科医師が使うメスやピンセットなどの医療ツールを見て、世界的に有名な考古学上の奇跡である兵馬俑を連想することはないだろう。陝西省西安市にある秦始皇帝陵の兵馬俑1号坑の一角には「兵馬俑専門ホスピタル」があり、世界各地から来た観光客が、兵馬俑の修復作業の一部始終を見ることができるようになっている。
蘭氏によると、発掘チームから兵馬俑の残片が届けられると、文化財修復師はまず「問診」を行い、画像を撮影して保存する。それから、クリーニングを行い、彩色上絵の強化などの必要な「治療」を行ってから、「治癒」した残片を接着剤でつなぎ合わせ、「初診」が終わる。
「兵馬俑修復エリアは、兵馬俑と見学者との距離を縮めるため、一般公開されている兵馬俑1号坑の一角に設置されている。見学者に、スケールの非常に大きな大秦文化を肌で感じてもらうと同時に、中国の文化遺産をどのように保護しているかを知ってもらうこともできる。見学者が兵馬俑修復の背後にある物語を知ることで、兵馬俑のミステリアスなベールを取り去り、本当の意味で兵馬俑を多くの人に知ってもらうことができる」と蘭氏は語った。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年7月30日