月表層の土壌の粒の平均粒径はわずか5ミクロンほどだ。月の土壌の1粒でも専門家チームの手に渡ると、科学研究するための重要な手がかりのようなものになる。月の土壌第1弾を受け取った後、中核集団は今月16日、原子力工業地質研究院月サンプル分析・検査実験室を設立し、月探査機「嫦娥5号」による月サンプルの科学研究活動の正式な開始を発表した。科技日報が伝えた。
月サンプル委員会の専門家の評価・審査を経て、原子力工業地質研究院が申請した「嫦娥5号月サンプルの核融合エネルギー元素の研究」が認められた。科学研究者は月の土壌のヘリウム3資源の研究に焦点を当て、月の土壌の成熟度、鉱物の組み合わせ、ヘリウム3の存在度及び抽出パラメータなどの実験と研究を展開し、将来的な月のヘリウム3の潜在力の評価と開発利用に向けた基礎データを提供する。
原子力工業地質研究院の李子穎院長は、「月の原子力エネルギー資源は主にウランとトリウムを中心とした核分裂元素と、ヘリウム3を中心とした核融合元素の2つに分かれる。核工業地質研究院は核分裂元素のウラン・トリウム及びヘリウム・水素の月の岩における存在度、分布及び存在形式、蓄積のメカニズム、形成時期及びその担い手となる岩石鉱物の組成などを重点的に研究することにより、将来的な原子力エネルギー元素の開発利用に根拠を提供し、月の形成と変化にサポートを提供する」と説明した。
原子力工業地質研究院の秦明寛チーフエンジニアは取材に、「嫦娥5号のサンプリング位置は、月の表側の「嵐の大洋」北部に位置する『リマ・シャープ』にある。このエリアは足を踏み入れられたことがなく、希土類、トリウム、ウランを豊富に含む岩石がある。このサンプルは月の核融合元素・核種の研究にとって非常に貴重で、並々ならぬ意義を持つ」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年7月21日