ボアオ・アジアフォーラム2021年年次総会の「災害管理と持続可能な発展」分科会が20日、開催された。そこで明らかになったところによると、中国はすでに自然災害リスクの調査活動を開始しており、空・宇宙・地上一体型の災害モニタリング体制の構築を計画している。中国新聞網が伝えた。
中国緊急管理部(省)の尚勇副部長は「中国は2020年、感染状況が深刻だったばかりでなく、災害状況も深刻だった。うち洪水災害は1998年の大洪水以来で最も深刻な水害となった。それにも関わらず、中国は全力で災害対策・救助を行い、国民の命と財産の安全を最大限に守った。中国の自然災害による死者数は昨年、新中国成立後で最も少なかったが、直面している問題の方にも注目すべきだ」と述べた。
尚氏によると、緊急管理部は空・宇宙・地上一体型の災害モニタリング体制の構築を計画している。「中国は今後、複数の専門的なモニタリング衛星を含む、宇宙ネットワーク緊急対応衛星システムを構築する。これらの衛星は既存の高分解能衛星と協力し、一帯一路(the Belt and Road)地域の防災・減災活動を支援できる。地上の都市部と農村部では、各種早期警戒センサーを展開することにより、このシステムを構築する」と尚氏。
尚氏は、「科学技術はその中で大きな役割を担うことができる。例えば人工知能(AI)技術は災害状況の研究・判断をサポートする。衛星通信やマイクロ波通信などの技術は、停電しインターネットが使えなくなった場合に救援指揮システムの正常な稼働を確保できる」と述べた。
リスクと災害の本質は、情報の非対称性とされている。この非対称性を解決するため、北京師範大学教授で、青海師範大学の史培軍学長がリーダーを務める全国自然災害リスク調査活動が展開されている。
史氏は「中国全体の自然災害のリスクがどの程度かを徹底的に突き止めたい。我々は郷・鎮を基本単位とし、道路や家屋などの20の主要自然災害被災体を調査する。これらのいくつかのデータを調査し、それをアップして初めてリスクの在り処を突き止めることができる。中国の感染予防・抑制活動と同様、災害関連情報を早急に把握すればこそ、早期報告と早期救援が可能になる」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年4月21日