高性能・高信頼性の世界衛星測位システムを構築することは、中国の科学技術分野中長期発展計画の16の重大特定プロジェクトの一つだ。30年近くの建設を経て、北斗システムは中国で現在、規模が最大で、カバー範囲が最も広い、サービス性能が最高の、一般人の暮らしと最も密接に結びつく巨大で複雑な宇宙システムとなっている。科技日報が伝えた。
「北斗は最も優れたグローバル衛星測位システムだ」。全国政協委員を務める北斗衛星測位システムプロジェクトチーフデザイナーの楊長風氏は、「北斗システムは独自の3種軌道混合衛星ネットワークを構築し、精密ワンポイント測位、衛星強化、エリアショートメール通信、国際捜索救助、グローバルショートメール通信などの新機能を追加しており、より優れた測位信号を発することができる。グローバル範囲の測位精度はGPSに匹敵し、一部地域ではGPSに勝っている。例えば北米、アフリカ、欧州などでの北斗の測位の誤差は5メートル前後だが、アジア太平洋地域では2.5−3メートルだ」と述べた。
リアルタイムのナビゲーションと迅速な測位のほか、北斗システムには位置報告やショートメール通信などの特色ある機能がある。楊氏が述べたように、「北斗サービスは身近にある。世界最先端の測位システムとしての北斗の応用は、人間の想像力の制限しか受けない」のだ。
特に北斗システムのショートメールサービスは、海外のどのグローバル衛星測位システムにもない機能だ。楊氏によると、年末にはショートメール機能を追加した華為(ファーウェイ)製の携帯電話が発表される見通しで、車線級の測位も搭載される可能性があるという。
楊氏は最も注目されている「北斗チップ」について、「中国のチップと呼べる」「北斗チップは海外の基本水準と一致する」「独自に開発したものだ」と述べた。さらに、「地上強化システムも完全に中国のチップで、今後はエネルギー消費量がさらに下がり、精度がさらに上がる」とした。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年10月16日