米国のアザー厚生長官が9日に台湾地区入りして3日間の訪問を開始した。米側の行為は台湾地区問題において自らが行った約束に深刻に背くものだ。中国側は一貫して米国と台湾地区の公的往来に断固として反対しており、すでに米側に厳正な申し入れを行った。(人民日報「鐘声」国際論評)
先般米側が世界保健機関(WHO)脱退を宣言して、世界の公衆衛生事業への責任の全うを明確に拒絶したことを、国際社会はよく分かっている。今になって米側が新型コロナウイルスの感染状況について話し合うため中国の台湾地区に高官を派遣したのは、新型コロナウイルスの感染拡大を政治的に利用する新たな茶番に他ならない。
周知のように台湾問題は中米関係における最も重要かつ敏感な問題であり、「一つの中国」原則は中米関係の政治的な基礎だ。1978年12月、米政府は中国側の示した「断交、軍撤退、条約破棄」の三原則を受け入れたうえで、台湾問題の適切な処理について中国側と合意に達した。中米が1978年12月16日に発表した外交関係樹立に関するコミュニケは「アメリカ合衆国は中華人民共和国政府が中国の唯一の合法的政府であることを承認する。この範囲において、アメリカ人民は台湾地区の人民と文化、ビジネスその他非政府間の関係を保持する」と表明した。1979年1月1日に中米両国は外交関係を樹立して関係を正常化した。中国側は米側に対して、中米関係の大局が妨げられ、損なわれることのないよう、台湾問題を慎重に取り扱い、台湾地区といかなる公的往来・接触もせず、「台湾独立」分離独立勢力に対していかなる誤ったシグナルも送らないよう繰り返し促してきた。
米側は最近、再三にわたり台湾問題で挑発を仕掛け、中米関係にトラブルをもたらしてきた。今年3月、米側はいわゆる「2019年台北法」を成立させた。全世界が新型コロナウイルスと闘っている過程において、米側は「台湾カード」を切って中国を中傷しようと企てた。さらに米側は台湾地区との軍事的結びつきを強化し、台湾地区への武器売却を推し進めた。「台湾カード」を切るのは、米国の一部政治屋が政治的私利のためにとっている冒険的行為、中米関係及び台湾海峡の平和・安定を破壊する危険な行為であり、中米両国民の根本的利益に合致しない。
世界に中国は一つしかなく、台湾地区は中国の不可分の一部であり、「一つの中国」原則は国際社会が一致して認めている。台湾問題は中国の主権及び領土的一体性、核心的利益に関わる。中国の政府と国民の国家の主権及び領土的一体性を守る決意は確固不動たるものであり、いかなる外部勢力による内政干渉にも反対する決意は確固不動たるものであり、両岸の統一を実現する決意は確固不動たるものだ。中国側は米側に対して、「一つの中国」原則及び中米間の3つの共同コミュニケの規定を順守し、台湾地区とのいかなる形による公的往来・接触も止め、米国と台湾地区の実質的関係の格上げを止め、台湾地区関連の問題を慎重かつ適切に取り扱うよう促す。米側の誤った行為に対して、中国側は断固たる力強い対抗措置をとるだろう。「一つの中国」原則を否定し、これに挑戦する企てはいずれも失敗に終わる。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年8月11日