今日から「伏天」、頭伏に餃子を食べるのはなぜ？

「伏天」の期間中に水を撒いて幸せを祈る人々（資料写真／撮影・泱波）。

今日16日から酷暑の時期「伏天」に入った。2020年の「伏天」は例年より10日長い40日間のロングバーションで、そのうち「二伏」は20日間となる。中国新聞網が伝えた。

2019年7月17日、暑さを避けようと防空壕跡でくつろぐ福建省福州市の人々(資料写真／撮影・張斌)。

「伏天」は一年で気温が最も高く、しかもじめじめして蒸し暑い期間だ。

その原因については、「伏天」に入った後は地表の湿度が高まり、1日に吸収される熱量が放出される熱量より多くなり、それが蓄積して最も暑くなるという説がある。また、夏は空気中の湿度が高いことも蒸し暑さの原因だ。

さらに、古代医学によると、暑邪は「六邪」(風邪、寒邪、暑邪、湿邪、燥邪、火邪)のうちの一つで、「伏天」の「伏」には「伏邪」の意味があり、つまり「伏する」のに適し「動く」のには適さないという意味になる。

「伏天」は二十四節気とも比較的密切な関係がある。民俗専門家の蕭放氏は、「『伏天』の頃には、中医学の病院で冬の病を夏に治す『冬病夏治』の活動が行われているのをよく目にする。これは実のところ、節気に応じて身体の養生をする方法だ」と指摘している。

2016年7月7日、福建省の福州市中医院では、「伏天」に入る前に、冬にかかりやすい病気を夏に治すための「三伏灸」治療を行い、多くの市民が治療を受けていた。写真はお灸の治療を受ける患者（資料写真／撮影・劉可耕）。

「頭伏」に餃子を食べるのはなぜ？

中国の北方地域では俗に、「頭伏餃子二伏麺、三伏烙餅攤鶏蛋」と言われる。「伏天」の最初の10日間を「頭伏」、次の10日間もしくは20日間を「二伏」、最後の10日間を「三伏」と呼ぶ。上記の言葉は、「頭伏」の最初の日には餃子を食べ、「二伏」の最初の日には麺、そして「三伏」の最初の日には小麦粉生地を平たい円形に延ばして焼いた「烙餅（ラオビン）」と卵焼きを食べるといいという意味になる。

手作りの餃子（資料写真／撮影・王昊陽）。

夏は食欲不振になりやすいが、餃子は伝統的な食習慣ではまさに食欲を増進する食べ物だ。また、餃子の形が元宝という昔のお金の形に似ており、「元宝蔵福（元宝には福がこもっている）」という意味もあり、餃子を食べることは幸せの象徴だという説明もある。

「二伏」に麺を食べる習慣も歴史が古く、歴史書「魏氏春秋」に早くもこれに関する記載を見ることができる。その年の新小麦を挽いた小麦粉で麺を打ち、それをゆでて食べると、栄養豊富なうえに発汗も促せる。

「三伏烙餅攤鶏蛋」については、「三伏」になるとたいてい少し涼しくなるため、烙餅を焼くのもそれほど暑くは感じなくなる。それに暑気払いにいい緑豆粥を添え、卵焼きを作って烙餅と一緒に食べるのもまた美味だ。

いずれにしても、夏は陽の気が高まる季節。季節の変化に応じて生活のリズムを調整し、つつがなく夏を過ごしたいものだ。（編集AK）

「人民網日本語版」2020年7月16日