日本のオンライン文学の作者はどうやって稼いでいるか

人民網日本語版 2020年06月11日09:46

映画「君の膵臓をたべたい」の中国版ポスター

安定した巨大な文化産業の伝統に支えられて、日本のオンライン文学は伝統的産業とは異なる独自発展の道を歩むのではなく、伝統的出版業界にぴたりと寄り添うとともに、伝統的出版業界に新たな活力を絶えず注入してきた。

「君の膵臓をたべたい」(以下「君の膵臓」)をはじめとする人気のオンライン小説の作家たちは、作品が人気になると相当な収益が期待でき、「座ったままお金を稼ぐ」などとも言われる。

この小説は膵臓がんになった少女の日記帳を拾った少年と少女との物語を時間軸を交差させながら描いた青春小説で、作品のそこかしこに現れる繊細で深みのある感情描写が大勢のファンを虜にした。2015年に双葉社から単行本が出され、17年には文庫化され、18年にジュニア文庫版が発売された。累計発行部数は260万部を超えた。

日本の書籍出版スタイルは主に単行本、新書、文庫の3種類がある。単行本は四六判とも呼ばれ、全紙の約32分の1の大きさで、ハードカバーとソフトカバーがある。ハードカバーの販売価格は2千円ほど、ソフトカバーは1500円ほどだ。一般的に小説はまず単行本か新書として出版され、売れ行きがよければ3年後に文庫化され、新たな装丁で再出版される。

16年に連載が始まった「君の膵臓」は1年後に単行本が出版され、同名の映画も18年に公開されて大ヒットし、封切り第1週は興行収入1位となり、興行収入は第2週までで12億円、第4週までで20億円に達し、累計で30億円を突破した。

出版社の小学館の法律事務責任者によると、日本の出版界で慣例となっている印税の税率は約10%だ。印税の計算方法は書籍の価格に税率をかけ、さらに販売部数をかける。しかし「販売部数」とは実際に販売した部数ではなく、印刷した部数だ。一度印刷されてしまえば、その本が倉庫でほこりをかぶっていても、出版社は作者に印税を支払う必要がある。再版時の印税も部数に応じて作者に支払われるため、作者の意欲を維持することにもつながっている。

たとえば販売価格が千円の本を1万部印刷したとすれば、印税率が10%なので、作者は100万円を手にすることになる。イラストが入っていれば、イラストレーターと作者で印税を分け合い、仕事の量や使用量に応じて5対5や6対4の割合で分けることになる。

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