世界の感染対策を後押しし、中国の経験を共有するため、中華中医薬学会は6日に天士力持株集団などと「新型コロナウイルス肺炎治療国際学術交流会」を共催した。国内外の専門家・学者がWeb会議により、新型コロナウイルス肺炎の感染対策や治療の経験を共に協議・共有した。今回の会議は世界で複数のサブ会場が設置され、オンライン出席者が4万5000人にのぼった。
◆感染症の試練で中医薬が独特な役割を果たす
国家中医薬管理局治療チーム長を務める中国科学院院士の仝小林氏は「新型や突発的な重大感染症が発生し、ワクチン及び特効薬の開発・生産が間に合わない時、中国医学の速やかな介入は感染対策全体に対して極めて重要な役割を果たす可能性がある」と述べた。
中華中医薬学会副会長を務める天士力持株集団会長の◆希軍氏(◆はもんがまえに三)は、天士力公益基金会が各国の政策と法律に基づき、医師の指導を受け軽症者の臨床治療に用いられる中医薬顆粒剤を1000人分、コミュニティの濃厚接触者の予防用の中医薬顆粒剤を1000人分提供すると発表した。
◆中国・西洋医学の結合によるリハビリの重視が必要
湖北省中西医結合病院新型コロナウイルス肺炎医療専門家チーム長の夏文広氏は、新型コロナウイルスの感染対策をしっかり行う上で、患者のリハビリ問題にも注意する必要があると指摘した。夏氏はチームを率いて全国初の新型コロナウイルス肺炎リハビリエリアを設立した。現代リハビリ療法を基礎とし、患者に応じて太極拳など中国医学リハビリ療法を施している。
メリーランド大学医学部は新型コロナウイルスの感染状況と緯度、気温との相関関係を研究した。独ハノーファー医科大学リハビリセンター長のChristoph Gutenbrunner氏は、夏氏が提案した患者リハビリシステム案の構築に賛同した。また非常に優れた中国のガイドラインなど関連ガイドラインを整理し、現場の医療従事者が指導を受けられるようにすべきと述べた。
◆中医薬の全面的な発展にはまだ課題も
中医薬の未来の発展と直面している問題について、夏氏は「第1に、急性感染症の中国医学体系の建設にまだ改善が必要だ。第2に、感染症の中国医学診療プラットフォームが不足している。第3に科学研究面において、研究プラットフォーム、データバンク、中医薬の転化がまだ際立っていない」と指摘した。
中国科学技術協会党組メンバーで、書記処書記の宋軍氏は「重大感染症は人類の共通の敵だ。国際協力を強化すればこそ、この世界的な公衆衛生安全の重大な挑戦に対応できる。中国の科学技術界は安定した世界重大感染症対策体系の構築に貢献したい」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年4月9日