折りたたみスマートフォンはこのところ新製品の発表が相次いでいる。北京時間の24日夜には、華為(ファーウェイ)がスペイン・バルセロナで次世代折りたたみスマホ「Mate Xs」を発表した。これに先立つ12日には、サムスンが折りたたみスマホ第2弾の「Galaxy Z Flip」を発表し、上下に折りたためるデザインを採用した。中新経緯が伝えた。
2018年末頃から徐々に、折りたたみスマホのコンセプトがメディアに盛んに登場するようになり、「これからの10年間は折りたたみ式の時代」などとする声もあった。しかし2019年が終わる頃には、夢を現実にするのは簡単ではないことがわかった。技術的な挑戦以外に、非常に高い価格も折りたたみスマホの大衆化に向かってなかなか超えられない「鉄のハードル」となっている。
18年11月、深セン市にあるテクノロジー企業・柔宇科技は世界初の折りたたみが可能なディスプレイを搭載したスマホ「柔派(FlexPai)」を発表し、価格は8999元(1元は約15.7円)からだった。サムスンの「Galaxy Fold」の中国現地生産モデルは1万5999元。また「Galaxy Z Flip」の中国現地生産お試しモデルは1万2499元だが、この価格は公式の最終価格ではない。モトローラの「Razr」は1499ドル(1ドルは約110.5円。約1万3650元に相当)だ。
19年11月にファーウェイの「Mate X」が発売されると、ダフ屋が価格を大幅につり上げた。販売価格が1万6999元のところ、在庫の価格が6万元から8万元につり上げられた。
折りたたみスマホが一般の人々の手に届くのはいつのことだろう。入門機はいつ登場するだろう。
第一携帯電話界研究院の張燕飈院長は、「折りたたみディスプレイの入門機は来年になって初めて登場する可能性があり、価格も8千元から9千元になるだろう。精巧さ、折りたたみに耐える耐久性、アフターサービスなどさまざまな要因をクリアしなければならないからだ」との見方を示した。
張氏は続けて、「現在は主に2つのメーカーが折りたたみ式を推進しており、ヒンジとディスプレイの合格率はまだ高くない。折りたたみ技術の進歩とは、供給チェーンの技術の一面的な進歩ではなく、メーカーと供給チェーンが共同で研究開発を進めるところにあり、そこには一定の技術の閉鎖性があり、どのプロセスにもたくさんの特許があって、第三者が利用できない。自らの経験に基づいて開発するしかない」と述べた。
独立系の電気通信アナリストの付亮氏は、「スペックが同じで、折りたたみ式が同レベルのスペックの一般的なスマホより2千-3千元高いという状況なら、ユーザーは折りたたみ式を受け入れられる。入門機登場の具体的な時期は予測できないが、20年には折りたたみスマホ市場に必ず大きな変化が起きる。たとえばサムスンの新製品はすでに手の届く価格を実現している。今年は似たような端末が数機種登場する見込みで、メーカーはそれぞれ積極的にイノベーションを進めて、それぞれのソリューションを見いだすだろう」と述べた。