中国の科学者が新型触覚電子皮膚を開発

人民網日本語版 2019年12月12日13:19

皮膚は人体の中で面積が最大の感覚器官だ。筆者の調べによると、香港城市大学が参加する共同研究チームは、「皮膚統合触覚インターフェース」システムを開発した。この皮膚を媒介とする仮想現実(VR)及び拡張現実(AR)システムは、皮膚に貼り付くワイヤレスアクチュエータにより、エネルギーを力学的エネルギーに転換し、触覚の刺激を人体に伝送することができる。この研究成果は最近、ネイチャー誌に掲載された。科技日報が伝えた。

VR・AR技術は主に視覚と聴覚の刺激により体験を生む。しかし目や耳と比べると、皮膚は人体の中で面積が最大の感覚器官であり、そのため触覚を通じ外界の環境を感じる方が高い効果を得られる。

論文の筆頭著者、香港城市大学生物医療工学科助教の于欣格博士は、「我々の目標は、本物の人間の皮膚に匹敵する電子皮膚を開発することだ。市販されている同類設備と比べると、この新システムは軽量かつ薄型で、皮膚に貼り付けることができ、しかもコードやバッテリーが必要ない」と説明した。

このシステムは新しい材料、構造、エネルギー伝達方法、通信プランを採用している。研究チームは700以上の機能モジュールにより、厚さ3ミリ未満の柔軟皮膚装置を作った。これには軽量・薄型・柔軟で、引っ張ることのできる内層が含まれ、皮膚に密着できる。シリコンが保護する機能層の中には、ワイヤレス制御システムと相互連結するアクチュエータがある。空気を通す布の外層は、衣料品と直接結びつくことができる。

于氏は「触覚振動を提供する一般的なアクチュエータは、100mW前後の出力により情報を伝送する必要がある。それに対し、我々のRF技術による給電は、2mW未満の出力で情報を伝送できるとともに、同等の機械振動を生む。ワイヤレス・低エネルギー消費のエネルギー伝達の難題を解消し、同システムの操作性を大幅に高めた」と説明した。

この研究成果はSNSや電子ゲームに応用できる。また義肢使用者は触覚を通じ外の環境を感じ、フィードバックを得ることができる。さらには臨床医学応用の関連仮想シーンにまで拡張できる。(編集YF)

「人民網日本語版」2019年12月12日

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