世界気象機関(WMO)が25日に発表した最新の温室効果ガス年報(Greenhouse Gas Bulletin)によると、気候変動の主な原因である温室効果ガスの大気中濃度が、昨年、観測史上最も高い数値を記録した。これは継続している長期的な傾向で、今後も気温の上昇や極端な気候といった気候変動が深刻化すると予想されている。中国新聞社が報じた。
二酸化炭素は地球温暖化の要因の約3分の2を占め、大気中に数百年滞留し、海中にはもっと長い期間滞留する。WMOの資料によると、2018年の二酸化炭素の濃度は407.8ppm(1ppm = 0.0001%)で、17年の405.5ppmから少し上昇した。1750年ごろの産業革命前と比べると147%上昇している。
その他、北極や山間部、熱帯諸島などの世界中の気象観測地点の観測資料を見ると、メタンや亜酸化窒素の濃度も過去10年と比べるとかなり上昇していることが分かる。
WMOのペッテリ・ターラス事務局長は、「地球温暖化対策の国際的枠組みであるパリ協定の下でのあらゆる取り組みにもかかわらず、大気中の温室効果ガス濃度は減速する兆しはない。将来の人類の幸福を守るために、協定を行動に移し、目標を上げなければならない」と呼びかけた。そして、「前回、地球の二酸化炭素の濃度がこれほど高くなったのは300万‐500万年前であることは注目に値する。その頃の気温は今より2-3度高く、海面も今より10‐20メートル高かった」と指摘した。
国連環境計画(UNEP)のインガー・アンダーセン事務局長は、「今はカギとなる時期で、全世界が二酸化炭素の排出の面で、具体的な行動を段階的に取らなければならない。我々は今すぐに根本的な変革を実施するか、気候変動が地球に深刻な影響を及ぼすことの結果を刈り取るかという、重大な選択を迫られている」と警鐘を鳴らしている。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年11月26日