■「米中経済の切り離しは非現実的」
「米中経済を切り離した場合の結果がどうなるか、われわれには想像しがたい。これは非現実的だ。『切り離し論』という解決案は問題そのものよりも深刻に思われる」とグティエレス氏は語った。
グティエレス氏の発言は、まさに米側の一部が喧伝する中米「切り離し論」への反論だ。彼らは時に「外資は中国から撤退しつつある」と主張し、時に「米国企業を中国から撤退させる」と脅すうえ、中米貿易を「赤字の商売」と考えている。
米国のロバート・ホーマッツ元国務次官は「40年前、米中は30年近くの相互隔絶・敵視、さらには衝突・対立という両大国の局面に終止符を打った」「だが皮肉なことに、現在米中経済の切り離しを喧伝している人々は、米中関係を破壊し、元の開放の成果を逆転させようとしている。これは両国の発展を害するだけでなく、世界経済の発展も損なう」と指摘した。
米国半導体工業会(SIA)のジョン・ニューファー会長兼CEOは「半導体産業にとって、中国は最大かつ最も速く成長している市場だ」「長い間、自由貿易は半導体産業の進歩を後押ししてきた。われわれのサプライチェーンは中国の隅々にまで行き渡っている。もし両経済大国の技術とサプライチェーンが切り離されれば、半導体産業にとって大変マイナスだ」と指摘した。
グティエレス氏は「米中間には競争があるが、これは両国が緊密な協力を保てないという意味ではない。実際には、両国は過去のいかなる時にも増して意思疎通の継続を必要としている。これは国益に資するだけでなく、世界全体の安定のためでもある」と指摘した。