中国科学院国家天文台明安図観測基地が30日に明らかにしたところによると、科学研究者は太陽フレアの前兆の研究で新たな成果を上げた。研究者らはフレアが爆発する前に、太陽活動エリア周辺の紫外線熱放射に脈動の現象が存在し、フレア期間の爆発源の脈動現象との間に強い物理的関係を持つことを発見した。この成果はこのほどすでに、米国の世界一流の学術誌「アストロフィジカルジャーナル」に掲載されている。新華社が伝えた。
草原の「天眼」と呼ばれる明安図電波ヘリオグラフは2014年12月17日、M級の太陽フレアを記録した。同設備はセンチメートル・デシメートル周波数帯で初めて「CTスキャン」に似た機能を実現した。それは、太陽の表側のすべてのパラメータにおける同時多層的観測だった。太陽フレアエネルギー初期放出エリアの高分解能電波イメージング観測は世界初となった。これにより科学研究者は同周波数帯の太陽フレアを全面的に研究できるようになった。
中国科学院国家天文台の譚宝林研究員は「データ量が巨大なため、データの詳細な校正と正確な分析により、これらの成果を最近上げることができた。太陽フレアの過程におけるエネルギー放出は通常、フレア源以外の場所の熱活動とは関係がないとされていたが、科学研究者は、フレアの非熱エネルギー放出は、フレア源から遠く離れた活動エリア周辺の熱過程との間に、密接な物理的関係を持つことを発見した」と述べた。
譚氏は「これはフレアの爆発とフレア前の熱の過程の間に緊密な関連性があるということだ。この結果は人々のこれまでの認識を覆した。これは太陽爆発の前兆となるシグナルを模索し、爆発源を追跡する上で重要な啓発となる」と述べた。
中国科学院国家天文台は2008年、内蒙古(内モンゴル)自治区正鑲白旗の草原で、明安図電波ヘリオグラフを開発・設置し、2013年より観測を開始した。設備検収専門家委員会は、これは国際太陽電波物理研究分野のトップクラスの設備であり、フレア及びコロナなどの太陽活動の研究に新しい先進的な観測手段をもたらし、太陽物理及び宇宙天気科学の発展を力強く促進すると評価した。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年8月1日