その開催が今か今かと待たれていた「中国の老舗、故宮で年越し展」が、「小年」(旧暦12月23日)にあたる1月28日に、ついに正式にスタートした。故宮の慈寧宮花園、慈寧門外広場、そして隆宗門外広場で年越し風情満点の正月用品街が28日にオープンし、2月10日(旧暦1月6日)まで開かれる。
全聚徳、王致和、謝馥春、一得閣、大白兎といった老舗のほか、北京の風車、河南の年画、◆坊(◆はさんずいに維)の凧といった各地の物産まで、老舗150店と無形文化遺産がこぞって故宮に集まり、来場者に「新年の挨拶」を行う。
中国国家商務部(省)、文化・観光部、山東省政府の支援のもと、故宮博物院は今回の「中国の老舗、故宮で年越し展」を開催する運びとなった。これらの老舗は、山東、北京、天津、山西、吉林、上海、江蘇、浙江、安徽、河南十省・市から故宮に集まった。
〇北京の風車が響かせる「豊かで調和のとれた音」
北京市東城区に住む無形文化遺産継承者である王国華さんは、風車を手に、「庶民たちはこの風車が邪気を払い、福を呼び込む縁起物だと信じ、商売人たちは福の神が手にする儀仗として祀ってきた。かつては毎年旧暦正月2日になると、人々は福の神の廟に赴き、風車を買い求めたものだ」と紹介した。
王さんの屋台に並べられた風車は、風を受けると軽快な「タタタ」という音が出て、訪れた人々の興味を引いていた。「鮮やかな色合いに、軽快な音、そしてその形は古風でシンプル。これが南派の風車の特徴。風車の音は、豊かで調和のとれた音と言える」と王さん。
〇宮殿内の屋台は「みかじめ料」不要
今回の「中国の老舗、故宮で年越し展」は、文房具、生活用品、特色グルメ、玉工芸品、文化クリエイティブ工芸品、無形文化遺産工芸品など10ジャンル以上の製品をカバーしている。
「中国の老舗、故宮で年越し展」は、故宮博物院の特別展「賀歳迎祥—紫禁城で春節を過ごす」の全体構想の一部であり、春節期間中に故宮を訪れる市民に提供されるサービスだ。開催期間中は地方色豊かな展示品やユニークな技術などを鑑賞し、伝統的な軽食や特色グルメを味わうことができるほか、故宮博物院の入場チケットさえ購入していればそのまま無料で見学することができる。
故宮博物院の単霽翔・院長は、「今回の『中国の老舗、故宮で年越し展』は、公益性の高い文化活動であることから、『場所代』や『みかじめ料』は徴収していない」と紹介している。
〇「故宮での年越し」で、来場者は7割増
1月に入り、「故宮での年越し」によって、北京では故宮ブームが起きており、市民や観光客が続々と故宮を訪れている。
故宮の特別展「賀歳迎祥—紫禁城で春節を過ごす」は今月8日にスタートし、午門-雁翅楼展示ホールが展示エリアとして開放されている。開幕後20日間で2万人以上が来場した。これは、故宮博物院の一連の年越しシリーズ展示陳列活動のコアとなるイベントであり、展示スペースの面積、出展品の数、展示方法など各方面における多くの項目で、故宮博物館の過去最高記録を打ち立てた。
同特別展がスタートすると、来場人気が一気に高まり、故宮の来場者数は前年同期比70%以上増加した。単院長は、「1月27日の時点で、故宮の来場者総数は7万人に達し、うち3万5千人が特別展を見学した。特別展はすでに故宮を訪れる来場者の一番の目的となっている」とコメントした。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年1月31日
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