一方、「qiou」という漢字そのものについて着目した場合、言語・文字専門家は、「ネットユーザーの単なる文字遊びにすぎない。漢字のルールにも反している」と指摘する。上海の雑誌「咬文嚼字」の黄安靖編集長は、「『qiou』というピンインも同様だ。ピンインのルールに基づけば、正しくは『qiu』とすべきで、iとuの間にoはない」との見方を示す。
ネットでも、「qiou」について、「誤解を生まないために、『これはいたずら』と注記すべきだ」や「この漢字は、ポジティブに奮闘する若者の存在を無視している。この漢字の表面的な意味にしろ、その字義にしろ、『今年の漢字』にはふさわしくない」という声も上がっている。
中国国家語言資源モニタリング・研究センターや商務印書館などは毎年、共同で中国の「今年の漢字・ワード」と世界の「今年の漢字・ワード」を発表している。ちなみに2017年の中国の「今年の漢字」は「享」で、世界の「今年の漢字」は「智」が選ばれ、2016年は中国が「規」で、世界が「変」、2015年は中国が「廉」で、世界が「恐」だった。黄編集長は、「『今年の漢字』は非常に厳粛に選出されており、厳格な手順に基づき厳選された漢字やワードは、その年の特徴や社会の主流となる価値観を必ず反映していなければならない。『qiou』という漢字は、漢字としてだけでなく、読み方も間違っており、今年の特徴にもマッチしていない。実際これはネットユーザーたちがネタにして遊んでいるだけであり、一部の人の生活に対する思いに過ぎない。それを非難する必要もないし、ましてや大々的に取り上げる必要もない」との見方を示している。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年12月5日
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