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「慰安婦」テーマのドキュメンタリー映画「二十二」、存命はわずか6人に (2)

人民網日本語版 2018年10月12日13:22

12年、郭監督は、元「慰安婦」の韋紹蘭さんを紹介する文章「ある元慰安婦が生んだ日本人の子供」を偶然読んだ。時は1944年、当時20歳だった韋さんは旧日本軍に連行され、慰安所に連れていかれた。3ヶ月後のある日、韋さんは隙を見て、慰安所を逃げ出したものの、後で妊娠していることに気付いた。お腹にいるのは日本人の子供だ。韋さんは死んでしまいたいと思い、農薬を飲んだものの、近所の人に助けられた。その息子・羅善学さんは今70代で、韋さんと2人で生活している。結婚してくれる女性がいなかったため、羅さんは生涯未婚だった。

中国で「慰安婦」問題を研究する第一人者である蘇智良教授のサポートの下、郭監督は、韋さんにすぐに会うことができ、短編ドキュメンタリー「三十二」を製作した。その時から、郭監督は「慰安婦」を異様な目で見るのではなく、やさしい目で見ることができるようになったという。「三十二」の製作終了後、元慰安婦が次々にこの世を去るのを目にし、「二十二」の製作を計画するものの、資金提供者を見つけることができずに困っていた時に、女優・張■芸(■は音へんに欠)が支援の手を差し伸べ、100万元を貸してくれたという。その後約2ヶ月で、郭監督は5省の29地域に足を運び、元「慰安婦」22人をカメラに収めた。

撮影も苦労したが、公開できたことも奇跡だったと言える。2015年10月、「二十二」の上映許可証を取得し、中国では「慰安婦」をテーマにしたドキュメンタリー映画としては初めて公開されることになった。しかし、郭監督は、同作品を携えてさまざまな映画祭に参加したものの、公開できるだけの宣伝・配給費用を集めることができず、17年に、クラウドファンディングにより3万2099人から100万元をやっと集めた。そして、公開するために必要な製作費用に20万元を使い、残りの80万元を宣伝・配給費用にあてて、同年8月14日についに公開にこぎつけた。

それほど苦労して公開までこぎつけた映画「二十二」は見る人々の心を打ち、公開初日はスクリーン占有率が1%だったものの、1.5%まで増え、1日当たりの興行収入が300万元を超え、公開6日で興行収入が1億元を超えて、中国で初めて興行収入が1億元を超えたドキュメンタリー映画となった。(編集KN)

「人民網日本語版」2018年10月12日


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