「サッカーの熱狂というものは、すべてサッカーの栄光によって始まり、経済的な計算によって終わる」。2018FIFAワールドカップ(W杯)ロシア大会の開幕戦もまだ始まらないうちから、W杯をめぐるビジネスの戦いがすでに繰り広げられている。ピッチの外でのビジネス戦は、試合と同じくらい精彩に富んでいる。「北京商報」が伝えた。
▽伝統市場の没落
4年に1度開催されるW杯はこれまではFIFAにとって最高の「稼ぎ時」だった。W杯の広告効果は五輪よりも高く、商業的価値もより高く、ほぼすべての試合が注目の的になる。前回の決勝戦をテレビで観戦した人は32億人に上るという。
欧州で3番目のテレビ市場であるイタリアサッカー界は、世界のサッカービジネスの中でも大きなウェイトを占めてきた。14年のW杯でイタリア放送協会とスカイイタリアがFIFAに支払ったテレビの放映権料は、約1億8千万ユーロ(1ユーロは約128.2円)に達した。推計によると、イタリアというスポンサーを失って、FIFAの懐に入る金額は1億ユーロ減った可能性があるという。
FIFAは一連の腐敗によりここ3年は収入が激減し、赤字が続いている。今回のW杯では40億ドル(1ドルは約110.8円)の収入、10億ドルの純利益を目標に掲げ、財務損失を補填したい考えだ。
15年を通じて世間を揺るがせたFIFAの腐敗により、スポンサーの多くはW杯への熱が冷めてしまった。たとえば14年の大会でスポンサーだったカストロール、コンチネンタル、ジョンソン・エンド・ジョンソンは腐敗が発覚した年に、今後はFIFAと新たな契約を結ばないと決定した。このような大手多国籍企業は苦労して築き上げた自社のブランドイメージが、泥沼に陥ったFIFAと一緒になってその価値を下げることを望まなかったのだ。
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